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第9話
*桜音視点
「⋯⋯死にたい」
あの後、下半身魔王に介抱されたらしい俺は(挿れられた辺りから記憶が定かではない)保健室に寝かされていた。
起きたら桃神先輩の姿はなく、いや、無くて良いんだけど。
サイドにあった鞄の中にはちゃっかりローターが仕舞われていた。
よりによってあんな事になるなんて。
こんな変態的な事、誰にも知られちゃいけないって解ってはいたのに。我慢出来なかった俺のアホ!!
というかあの人も、俺にまで盛るなんて本当に頭腐ってんじゃないのか?!
それを嫌がらせでやってんなら人としても腐りきってる!!
それにあの人、俺のこと散々言ってくれやがって!
ろ、ローターだって今日が初めて学校に挿れて来たんだ!!⋯⋯⋯⋯ダメだ、普段してるって考えたら普通に変態だ。
でも本当に今日初めて学校に挿れてきて、その日にバレるとは思わなかった。
「死にたい⋯⋯」
穴があったら入りたいレベルじゃない。
「もう帰ろう⋯」
時間を見ればすっかり放課後で、幸い今は急ぎでやる生徒会の書類もない。
そう思ってベッドから出ようとした時、保健室のドアがガラリと開いた。
「あ、桜音起きた?おはよう。初えっちで気絶なんて可愛いね。そんなに俺とのセックス気持ちよかった?」
清々しいまでの笑顔でクズな台詞を吐くのは、やっぱり大っ嫌いな桃神先輩だ。
「アンタ本当に一回でいいから消えてくれませんか⋯」
「えー?俺が消えたら女子が悲しむから無理!それに⋯⋯」
「ひぁっ?!」
「桜音がえっちしたくなったら、困るでしょ?」
こ、こいつ⋯⋯!俺の尻を撫であげて、アナの辺りをグリッとしやがった!!
「何しやがるんですか!海に沈めるぞ!!」
「やだやだこっわーい!ま、またヤりたくなったら言ってよ、いつでも相手してあげるからね〜」
「誰が頼むか!!!」
必死に威嚇すれば、桃神先輩はじゃーねーと手をヒラヒラ振りながら保健室を出て行った。
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