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桜の受難
「はぁ⋯⋯」
登校が憂鬱だった。
あの下半身ユルユル大魔王の事だ、俺が変態的な事をしてたって言い触らしてるかもしれない。
「やっほ〜。憂げな表情も美人だね〜!」
「げっ⋯⋯」
話しかけてきたのは、ミカ先輩だった。
この人頭悪そうなのに憂げって言葉よく知ってたな。
そんな失礼な事を考えているとは気付いてない先輩は、あのね〜と勝手に話し始めた。
「昨日桜音くんがえっちしてくれないからぁ〜、代わりに桃神くんとえっちしたんだけど〜、とぉ〜っても気持ちよかったぁ!」
知ってるよ!!それで俺は二次被害を被ったんだよ!!
「でね、桃神くんえっちだからぁ、こんな所にキスマークつけられたのぉ〜。それで、これ消えるまで彼氏とはえっちするなって〜。どうしよぉ、桃神くんに惚れちゃうかも〜」
ただでさえ短いスカートを更にめくって、内股を見せてくるミカ先輩。
確かにそこにはくっきりと赤いキスマークが付いていた。
というか何でそこまでめくって下着見えないんですか?
「もう!桜音くん、話聞いてる?」
「面倒なんで聞いてません」
「ひっどぉ〜い!ま、そこが良いんだけど」
「⋯⋯アンタ、ポジティブですね」
はぁ、と溜息を吐けば幸せが逃げると注意された。
放っておいてくれ。
そんな時。
「あ!桃神く〜ん!」
前方には今一番会いたくない相手がいた。
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