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第3話
あれから2週間が経った。
日が過ぎればあの日の出来事なんて火傷みたいなモノで、また桃神先輩とは嫌味を飛ばし合う関係に。
だが⋯⋯俺には新たな悩みが増えてしまった。
「な、何でだよ⋯」
目の前の画面に映るのは、俺の好みの女の子。
所謂、AVって奴で。
学校ではクールだの、ストイックだの言われてるけど溜まる時は溜まる。
だから本当に、たまーにこういう動画を見るんだけど。
「た、勃たないっ⋯!」
何でだよ!とうとう不能になってしまったのか?
画面の女の子は可愛いと思うし、こんな子が目の前にいてこんなに乱れてたらどう思う?って聞かれたらあわよくばセックスしたいと思う。
そんくらいには興奮している筈なのに。
勃たない!
「ま、まさかな⋯」
俺の頭によぎるのは、一つの仮説。
だけどそれをどうしても認めたくないし、確認もしたくない。
確認してしまったら最後、戻れなくなってしまう。
それは⋯⋯俺が男じゃないとダメになっちゃったんじゃないかって事。
確かに後ろのアナを興味本位で弄ったら思いのほか気持ち良くて、あんな事になったけど。
それでもちゃんと女の子には勃ってた。
だとしたら、原因は一つ⋯⋯。
桃神先輩にされた事によって男の快感を身体が覚えてしまった⋯⋯?
「あぁ⋯⋯もう無理だわ。泣く」
そんな事になったら、恋人なんて出来にくいし結婚もこの国では出来ない。
別に同性愛を否定するタイプじゃないけど、自分がそうなるとやっぱりいきなりは受け止められない。
「こ、こうなったら⋯⋯」
直接あの下半身ユルユル大魔王に確かめるしかない。
というか俺、今日独り言多くない?
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