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第6話
「今の台詞をサッと言ってくれるだけで、お前の悩み事が解決するかもしれないんだよ?⋯⋯まさか、ゲイバーなんかに行って知らない男に抱かれるよりはマシじゃない?」
「⋯⋯っ」
妖しくニヤリと笑う先輩。
何で俺の考えてる事が分かったんだよ。こえーよ。
確かにゲイバーに行くのは勇気がいる。心の中では凄い葛藤してる。
抱くとしても抱かれるとしても、やっぱり好みのタイプがいいわけで。
初見のゲイバーに行ってムキムキのゴリゴリのオジさんが出てきたら正直辛い。
男の見た目だけなら正直⋯⋯⋯⋯センパイ、の顔がドンピシャなタイプな訳で。
「ほらほら、言ってごらん?それとも俺、帰っちゃっていい?」
「だ、だめ!」
帰っちゃうよーと本当に出て行こうとした先輩の腕を掴んで止めた。それも無意識のうちに。
そんな俺を見てこの下半身ユルユル大魔王は益々ニヤニヤするし、最悪。
くそッ、覚悟を決めろ、俺!!
「せ、先輩の⋯」
「うん」
「おっきな、ぉ、ぉち、んちん⋯」
「何?聞こえない」
「おっきな、ぉ、おちん、ちん⋯、俺の、」
「昴の」
「す、昴のぇ、えっち⋯な下の、お口に挿れ、て、ズ、ズポズポしてっ⋯!」
「ん?どうして欲しいの?」
「ズポズポしてってばぁっ!!」
もう半泣き。所々言い直させるし、訂正させるし。
このクソ変態野郎が!!
いつか覚えてろよ。そんな思いで先輩を睨みつける。
だが先輩は応えた様子もなく、相変わらずニコニコとしている。
「よく出来ました。今日もたーっぷり、可愛がってあげるからね」
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