20 / 24
第11話
いや、瞑ろうとしたんだけど。
「こら。誰が寝ていいって言ったの?」
「やあぁあッ!!」
ばちゅん!と再び腰を打ち付けられて、嫌でも起きる。
酷い。俺、もう精液出ないよ。声だって枯れてきたのに。
「イキっぱなしで辛い?でも桜音の我儘きいてあげたんだから、俺の我儘に付き合ってよね」
「やらっ⋯、もう、イってぅ、ずっと、イッてぅのにぃ⋯⋯っ!!」
「仕方ないなぁ〜。じゃあ俺があと一回イッたらやめてあげる。それまで頑張りな」
「おっ、おにぃ⋯っ!!」
力が入らない顔で睨みつければ、桃神先輩は笑うだけ。
その後はもう散々泣かされて。
やっと先輩がイッのを確認して、今度こそ意識がぷつりと途切れた。
***
「んっ⋯」
起きると、そこは学校でもなく俺の家でもない。
どこだここ?
「あ、桜音起きた〜?」
「もも、がみ先輩⋯⋯?」
「ここは俺の家。学校閉まっちゃうからさ、勝手におんぶして連れ帰って来ちゃった」
「はあっ?!」
ガバリと起き上がって周りを見渡せば、そこは確かに知らない家で。
だけどそこは普通の家というよりは、何だろう⋯⋯。
とても煌びやかって訳ではないのに上品な、感じのする部屋だった。質が良い、と一目で分かるような。
この人まさか、お金持ちの坊っちゃんなのか?
「桜音の家にも俺の家に泊まるって電話しといたから」
「は?」
「桜音の担任に生徒会の事で用があるから、家の番号教えてくれって頼んだら教えてくれたよ〜。桜音のお母さんも優しそうな声だったね」
にっこりと笑う先輩に頭がついていかず、混乱は収まらなかった。
ともだちにシェアしよう!