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桃の見解

*桃神視点 第一印象は、お人形さん。 透き通るような肌に、ピンクの唇、綺麗な二重の目。 染めているのか地毛なのか、青みがかった艶々の黒髪。 だけど話してみれば、話し方は慇懃無礼で嫌味ったらしくて憎らしい子だった。案外口も悪い。 それまでモテていた俺に初めて出来たライバルみたいなもので。 女の子にモテて、生徒会役員で仕事も出来て、なのに性格は最悪に合わなかった。 それでも、顔を合わせれば嫌味を言う程度で俺は本当に大っ嫌いって訳でも無かった。むしろ関心は薄い方。 そうだったはずなのに。 あの日、ミカ先輩から逃げて来た桜音を助けた日に衝撃的な事を知ってしまった。 性なんて言葉とは程遠いと思っていた桜音が、本当はえっちな子だったなんて。 ⋯⋯⋯⋯不覚にも、可愛いなんて思ってしまった。 *** 「あーっ、もう信じられません!」 「だからごめんねって〜。もうそんなに怒んないでよ」 抱いてくれと言ってきた桜音を抱いたあの後、俺の家にお持ち帰りしたのが気に食わなかったらしい桜音。 今は俺の作ったハンバーグをモグモグしながら文句を言っていた。 「⋯⋯というか、何で誰もいないんですか」 「俺は一人暮らしだからだよ。親は海外だったり、国内でもしょっちゅう地方行くから。弟たちは親に着いてってるけどね」 「⋯⋯⋯⋯本物の金持ち坊っちゃんだったか」 「ん?」 「何でもないです」 聞こえないフリをした台詞はちゃんと聞こえていた。 確かに他の家よりはお金があるかもしれない、だけどそれだけだし俺の稼いだお金じゃないから威張れないしね。

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