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宿り木の下でKissをしようよ5

「んな顔すんなって。つか、なんでおまえ、泣きそうになってんだよ?」 「…っ、だって……祥。君…」 ダメだ。目の奥が熱くなってきた。 溢れてくる感情が止まらない。 「ちょっと、待てってば。おまえ~。泣くなよ、こんなことぐらいでさ」 祥悟が目を大きく見開き、慌てふためいている。 泣いている自覚はなかったが、どうやら自分はまた、みっともないことになっているらしい。 祥悟がクッションを放り出して、こちらに両腕を回してきた。伸び上がった彼に頭を抱えられて、胸に頬を押し当てる格好になる。 「俺な、おまえをずっとセフレみたいにしてたこと、後悔してんの。いまだにちょっと引きずってんだよね」 祥悟の優しい声が、頭上から降ってくる。頭に顔を押し当てられ、指先でそっと髪を撫でられた。 「こうやってさ。おまえと一緒にいると、あん時わかんなかったこと、いまさら気づくんだよな。俺、寂しいからおまえにそばにいて欲しかったんじゃないんだ。おまえだから一緒にいたかったんだなって」 「祥…」 ……頼むよ…祥。そんな優しい声で、そんな嘘みたいな嬉しいことを言わないでくれ。 「だからさ。これ、もらってくんねえ?見る度落ち込むの、もうやなんだよね」 祥悟はそう言ってパーカーのポケットからゴソゴソと何かを取り出した。呆然としている自分の手に小さな箱を押し付けてくる。 それは、濃紺に銀色の点が散りばめられたシックな包装紙と銀色のリボンで包まれた、手のひらサイズの箱だった。恐る恐るリボンを解き、包みを外して、蓋を開けてみる。 智也は、ハッと息を飲んだ。 「祥…これ、これは」 智也は箱の中身と祥悟の顔を見比べた。祥悟はバツが悪そうに微妙に目を逸らして 「たいしたもんじゃねーし。おまえのと俺の。デザインがシンプルだからさ、内側に小さくネーム入れてもらった」 智也は震える指を伸ばして、大きい方のそれをそっと取り出した。おそらく、小指にはめる用のペアリングだ。 「これ……どうして、……これを、」 「ずっと一緒にいたからさ、俺、わかってたのな。おまえが、遊びで誰かと寝たり出来るヤツじゃ、ねえってこと。気づいてたけど、ずっと気づいてねえフリしてた。……ごめん」 智也は慌てて大きく首を横に振った。 ……それは、君が、謝ることじゃない。違うよ、祥。俺だって、わかってて君のそばに

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