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『Kissの意味』10※
祥悟の焦れたようなおねだりに、智也はちょっと目を見張り
「いいよ。次はどこにキスして欲しい?」
言いながら、曲げた脚の上に覆いかぶさってきた。急に近くなる智也の顔に、ドギマギする。
「んー……。あとどこ、残ってんのさ?」
智也はスマホをちらっと確認して
「えーと。お腹と背中と……腰と太もも、かな」
「それ全部したらさ、抱いてくれんの?」
「え」
「えって、なんだよ。それ終わるまで、どうせお預けなんだろ?」
祥悟の不貞腐れた声に、智也はふふっと吹き出すと
「お預けなんて、言ってないよ。そうか、祥。焦れてた?」
「……だって、焦らしてんじゃん、おまえが」
「俺は君が焦らしてるのかと思ってたよ。ここ、脚でブロックしてるからね」
囁いて智也の手がスルリと太ももを撫でる。
「んぁっぅ……」
猫のような声が出てしまった。
その辺りは、自分でも自覚している性感帯だ。少し触れられただけで、どうしても声が出てしまう。特に智也の触り方は、弱い所を的確に攻めてくるから……。
「ふふ。可愛い鳴き声」
智也は嬉しそうに太ももをさわさわしながら、祥悟の鼻にキスをした。
「こっち、もうひとつ残ってた。鼻は……愛玩だ」
「ん……っぁ……そこ、撫でん、なって」
智也の手がするっと太ももの内側に忍び込む。祥悟はその手を挟み込むように、太ももをぎゅっと閉じ合わせた。
「どうしたの? 今日は君、いろいろ抵抗するよね」
「……っどうも、しねえし……っ」
「力抜いて。ここ、可愛がってあげられない」
たしかに、今日の自分は本当に変だ。智也の近すぎる顔が、甘すぎる声が、気になって仕方ない。身体のあちこちが神経過敏になってるみたいで、変な反応ばかりしてしまう。
促されて少しだけ脚の力を抜くと、智也の手がその間でもぞもぞと動いた。
「……ん……っんぁ……っ」
「祥……。もっと脚開いて?」
智也の低い掠れ声が、耳元で聴こえた。ぞくっと甘い痺れが背中の方に駆け抜ける。
……やば。あそこ、熱くなって、きてる。
捩り合わせた太ももをそろそろと開くと、智也の手が更に奥に忍び込んできた。蠢く手が、一番敏感なところを掠める。
「……んあっっ!」
大声が出た。びっくりして智也の顔を見る。目が合った智也がす……っと目を細めた。
「君のここ、もう反応してる」
途端に頬がかーっと熱くなった。幸せそうに微笑む智也の顔が、可愛いのに……ものすごく癪に障る。
……くっそ。こんなの全然、俺じゃねーしっ。
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