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Kissの意味』13※
『頭を押さえつけられた智也が、ぱたっと動きを止めた。
……ばか。そのまんま続けろって
不意に智也の手が伸びてきて、直接、祥悟のものに触れてきた。
「んあっ……っ」
柔らかく指を絡めてきただけなのに、めちゃめちゃ変な声が出て、びくんっとしてしまった。
智也は祥悟の手を振り払うようにして顔をあげた。
「祥……? 君……」
「……っ」
怪訝な顔をした智也と目が合って、祥悟の顔が一気に火照る。
「君、ほんと、どうしたの? いつもよりすごく……感じてるんじゃない?」
どうしたのかは、こっちが聞きたい。どうしてこんなにみっともなく狼狽えているのか、知っているなら教えて欲しい。
「…っわ、わかんねーし。なんか身体、めっちゃ熱いんだよっ。俺がっこんなんなってんの全部、智也のせいじゃんっ」
「え……俺の?」
祥悟は真っ赤な顔で、すっとぼけた顔の智也をぎっと睨みつけた。
「そうだよっ。おまえがさ、俺のこと、こんな訳わかんなくしてるんじゃん」
「え……だって……ただキスしてるだけだよ。今日は媚薬入りのローションだって、使ってないし。わ……すごいな、祥。ここ、もうこんなに……濡れてるね」
不思議そうな顔をしながら、智也が手の中のものをゆるく扱く。
「んんぅ……っく……はぁ……っ」
長い指でゆるく輪っかを作って、ゆっくりと扱きあげる智也の動きに、祥悟は呻きながら身悶えた。
……だめだ。本当にだめだ。感じ過ぎておかしくなる。
「祥……気持ちいい? これはどう?」
智也はちょっと掠れた声で、ゆるゆると手を動かしながら、顔を覗き込んできた。
「んぁっ……っんん……っぁ、やめ……」
「可愛いな、祥……。今日の君、本当に可愛い。表情も声も仕草も、可愛い過ぎてくらくらするよ」
智也の声は欲情に低く掠れていて、嬉しそうに見つめてくる目も感情が駄々漏れになっていて、こいつは本当に自分のことが好きで堪らないんだ、自分のこのみっともなく乱れた姿に煽られて、喰らいつきそうな目をしているんだ、そう思うだけでますます身体の芯が熱くなる。
……ああっ。もうっ、ちくしょうっっ
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