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『Kissの意味』15※
……だってさ、智也。俺、今まで知らなかったんだぜ。すっげー好きな人とするキスが、こんなに……嬉しいなんてさ。こんなに……幸せな気持ちになれるなんてさ。
深く深く互いの舌を絡め合い吸い上げる。
痛いくらいの交わり。でもまだ全然足りない。求め合い過ぎて、息が出来ない。
「んっは……ぁっ」
「……っん……っあぁ……っ」
智也がはぁはぁと息を荒らげながら、のしかかってくる。両手首を掴まれて、背もたれに縫い付けられた。沈み込みそうなほど押しつけられて、智也の重みもその苦しさまでもが、嬉しくて心が震える。
……もっと、もっと激しくしてよ、智也。俺のこと、もっと求めてよ。
祥悟は苦しさに喘ぎながら、手を伸ばして智也の下腹をまさぐった。反応してふくらんでいるそこを、スラックスの上からぎゅっと握ると、智也は呻いてびくっと震え、唇を外した。
「これ……ちょうだい?俺に」
「……っ」
智也は息を弾ませ、熱っぽい眼差しで食い入るように見つめながら、祥悟の手に自分の手を重ねた。
「……っこれ、欲しい……?」
「……欲しい」
智也は、はぁ~っとせつなそうな吐息を漏らすと、もどかしげにスラックスのホックを外した。祥悟がチャックを下ろしてやると、猛り立った智也のものが下着ごと飛び出してくる。
祥悟はすかさず、智也の怒張を掴んだ。下着越しのそれは火傷しそうに熱くて、ドクドクと脈打っている。
「……すげ……智也の、デカい」
思わず呟いた祥悟の言葉に、手の中のペニスがひくんっと反応する。……可愛い。
ちろっと見上げると、男らしく眉を寄せた智也が、待てを命じられた犬みたいな切ない目で、こちらをじっと見ていた。
祥悟は口の端をきゅっとあげて
「舐めていい?」
囁いて首を傾げると、智也の目が大きくなった。
「え……っ」
「可愛がっていい? 口で」
「……っ祥……っ」
智也が驚くのも無理はない。
長い付き合いだが、智也のものを口でしたことは1度もなかった。その逆ならいっぱいあるが。
嫌だと拒否した覚えはないが、智也はねだらなかったし、自分もすすんでしたいとは思わなかった。
「……いいの?」
智也の声が、ちょっと可哀想なほど掠れて上擦っている。
……なにその哀しそうな顔。
「嫌なら、しねーけど?」
ちょっと意地悪なことを言ってみた。智也は息を飲み、慌てて首を横に振る。
「いや、じゃない。……でも、君が嫌なんじゃないのかい?」
「嫌だったら言わねーし」
智也はまた、切なそうに吐息を漏らすと、祥悟の頭を撫でて
「……して、くれたら嬉しいよ」
罪悪感いっぱいの顔で、でもすごく嬉しそうに囁いた。
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