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『Kissの意味』18※
……俺、ほんと、どうしちまったんだろう。こいつのこんな顔見て、可愛いっとかさ、きゅんっとかしちまうなんてさ。
もっといじめてやりたいような、ものすごく可愛がってやりたいような、なんだか妙な気分に一気に心が高揚する。
少し身を乗り出して角度を変え、もっと奥まで咥えてみた。
智也のこれは、悔しいけど自分のよりちょっと太くて長い。顎が外れそうなほど口を大きく開いても、とてもじゃないが全部は咥えきれない。
根元を手で扱きながら、歯を立てないように慎重にもごもごと格闘していたら、智也のものが急に質量を増して喉奥に触れ、祥悟は目を白黒させた。
……うっわ……やっぱ限界。これ以上は無理かも
「……っっっ祥っ」
不意に智也が泣きそうな声で叫んだ。
びっくりして咥えたまま目をあげると、苦しそうな智也と目が合った。
「……んむ?」
「祥、頼むから……っそんな、そんなに、無理、しないで……先の、方、だけで、……っ充分気持ち、いいからね」
……だから~。なんでおまえ、そんな辛そうなんだよっ
気持ちよくしてやれていないのかと、自分にものすごい腹が立つ。
……上手い口淫のやり方とか、調べときゃよかったじゃん。
祥悟はムキになって、智也の哀願を無視すると、深く咥えたまま舌をぐちゅぐちゅと絡め始めた。いろいろやってみたら、もしかしてドンピシャな愛撫が見つかるかもしれない。
「……っっく……ぅ……っは……ぁ」
智也の呻き声が聞こえる。さっきより感じているのかは分からないが、根元の下の部分がきゅっと引き攣れて、内股の痙攣が強くなった。
……あれ……?……これって……
「祥っ、祥待って、はっ……っ離して、ああっだめだもう……っぁっく」
いきなり切羽詰まった智也の悲鳴のような声。
あ。もしかして……
そう思った時には遅かった。
口の中の熱が、急にぶわっとふくらんだ。一瞬後、咥え込んだ喉の奥に、熱い飛沫が叩きつけられる。
「……!っぐ……ぅかは……っ」
口の中に広がる熱い粘膜と馴染みのある匂い。
祥悟は危うく、うえっとなりかけて、咥えたペニスを慌てて吐き出した。
かろうじて堪えたが、開いた口の端からとろりと零れ落ちる感触に、焦って口を閉じた。目と鼻の奥がツンとする。
「ごっごめんっ祥っごめんっ」
智也が情けない声で叫んで、がばっと縋りついてきた。
何が起こったかは同じ男だから知ってる。口の中のものが何なのかも、もちろん分かってる。
でもあまりにも突然のことに、ちょっと呆然としてしまった。
「祥っ出してっ吐き出してっごめんっごめんねっ」
完全な涙声で、智也がもどかしげに身体を揺さぶってくる。
祥悟は目を見開いたまま、顔をあげて恐る恐る智也の顔を見た。哀しげなわんこが、耳を垂れたような情けない顔で泣いていた。
……んな、顔、すんなって
悦ばせてやりたかったのに、智也が泣いているのが悔しい。
……ってか、この口ん中のもん……どうすりゃいいんだろ?
「口っ開けて祥っ口っねっ」
智也の大きな手に顔を包まれた。必死に哀願する智也の目から、溢れ落ちる涙を見つめながら、祥悟はごくり…と口の中のものを飲み下した。
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