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『Kissの意味』22※
「おま、え、それ……っくすぐった……いってば」
はしゃぐワンコに顔中舐められてるみたいだ。祥悟は頬をはみはみしてくる智也にぐいっと顔を向け、その唇を奪った。
ん…っと呻いた智也が、すかさず舌を絡めてくる。ねっとりとして激しいキスは、蕩けるように甘くてお互いの涙の味がした。
上も下も濃厚に繋がって、ひとつに溶け合う感覚が愛しい。
心も身体も満たされて、互いの境界が曖昧になっていく。
無理な体勢が苦しいはずなのに、それすらも歓びだった。
祥悟は首を振って智也のキスを外すと
「なっ……なぁ、動いて? おれ、俺ん中、ぐちょぐちょに、掻き回してっ」
悲鳴に似た声でねだると、はぁはぁと息を荒らげた智也が頷いて、祥悟の細い腰を両手で鷲掴みにした。
「祥っ……いくよ……っ」
来るべき衝撃に身構え、背もたれを掴み直す。ぎゅっと目を閉じると、最奥まで満たされていた智也の灼熱がずりり……っと抜け出ていく。
「ふぅぅっく……ぅっ」
みっちりと絡みついた自分の内壁が、智也のペニスのごつごつした感触をリアルに拾っていく。そそ毛だつような感覚の中で、一番感じる場所を智也が抉っていく。
まるで獣みたいな呻き声が、自分の口から溢れ出るのを我慢出来ない。
いったんぎりぎりまで引き抜かれた火芯が、再び中を押し広げながら奥を目指す。
……あああっダメだそれやばいっ
込み上げてくる快感の凄さに、祥悟は怖くなって思わず腰を引こうとした。でも、智也の手ががっちりと掴んで離してくれない。
身動き出来ないまま、大きなものがぐぐっと奥を穿っていく。
「ああっっはぁ……っあ」
聞いたこともないような自分の声が、やけに遠くから聴こえてくる。繋がっている場所から、背中を走り抜けた強烈な悦楽に、目の前が一瞬、真っ白になった。
「祥っ祥っ……あ……すごいよ……っすごいっ」
智也はうわ言のように言いながら最奥まで穿つと、すかさず腰を引き、更にスピードをあげてまた突き入れてきた。
途切れ途切れの智也の声が、耳からじゃなく身体の奥から響く。
ガツガツと押し引きされ、がくがくと揺らされて、祥悟は鳴き呻きながら、狂ったように首を振った。
次から次へと沸き起こる悦びに、呼吸の仕方すら分からなくなりそうだった。
……ああっ無理っダメだだめだめっ死ぬ……っ死ぬっっっ
膨れ上がる悦楽は、祥悟のこれまでの経験を遥かに超えていた。
もう限界、もうここで最高、そう思うそばから、熱い奔流に容赦なく突き上げられていく。
……こんなの、俺、知らねーし。こんな、すげえの、ああっ俺っやばいっ、怖い……っ
見開いた目から、熱い涙がぼろぼろと零れ落ちた。
気持ちよすぎて、変になる。
怖いっっ。
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