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『Kissの意味』24※
「ば……っか。じろじろ、見んなよ」
智也と自分の身体に挟まれて、完全に勃ちあがった自分のペニスが丸見えだ。
智也の感じてる顔を見ながらしたいとは思ったが、それは自分の反応も、ばっちり見られてしまうということなのだ。当たり前のことなのに、なんだか無性に気恥ずかしくて、祥悟は智也の目を手のひらで塞いだ。
「どうして? 見せてよ。君の、すごく……可愛い……」
……はぁ? ちょっ、可愛いって何だよ? そりゃおまえのでっかいのに比べたら、可愛いサイズかもしれないけどさぁ。
照れ隠しに心の中で悪態をついてると、智也は首を振って、祥悟の手を払いのけ
「濡れてるね……先っぽ。……気持ちいい? 祥」
ひどく感動したような顔をして、幸せそうに目を細めた。
……なんで、そんな顔してんのさ? もう……本当にこいつは。
そんな智也の愛おしそうな顔を、うわ、可愛い……とか思っちゃってる自分も……たいがい終わってる。
「っ。だから~。見んなって言ってんじゃん」
祥悟は智也の顔を手のひらでもう1度隠すと、焦れてひくついている自分の窄まりに、熱い楔の先を押し付けた。滑って逃げないように手でペニスを掴んだまま、ゆっくりと腰をおろしていく。
さっきそれを飲み込んでいた場所は、柔らかく綻んでいて、待ち望んでた楔をなんの躊躇いもなく迎え入れていく。
「……っく……んっはぁ……」
……あ……やばい……気持ちいい……っ
のっけから違和感もなく、ものすごく感じている。そこが悦びにわなないて、智也をきゅうきゅう締め付けているのが自分でも分かる。
じわじわと腰を沈めながら、祥悟は自分を満たしてくれる男の顔を、じっと見つめた。
眉間に少し皺を寄せ、うっとりとした恍惚の表情を浮かべている。整った顔に男の色気を滲ませていて、ドキドキするくらいセクシーだ。
自分を抱く時、智也はいつもこんな顔してたのか……なんて、今さら感心してる自分が笑えてくる。
……ほんと、俺、こいつの何見てたんだろ。……ってか、智也ってこんなに、格好よかったっけ……?
あまりにも自然に寄り添ってくれていたから、気づけずにいたのだ。
この男の優しさにも深い愛情にも。
そして自分の本当の気持ちにも。
分かってしまえば簡単で、ものすごく単純なことだった。
……俺、こいつのこと、すっげー……好きだわ。
今さらときめいている自分が、バカみたいだ。
ようやく根元まで、智也のものを飲み込むと、祥悟はほぉっと身体を弛緩させた。また完全にひとつになれた。この充足感がすごく幸せだ。
「智也……好き……」
思わず言葉が零れていた。智也がえ?っというように、目を見張る。
「好き……大好きだ」
「祥……」
「これからも、そばにいて、いい? ……ずっと、一緒に、いてくれる?」
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