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バレンタインデー特別番外編「幸せな誤算」35※

さすがにここで、いきなり突っ込むわけにはいかない。可愛い仔猫ちゃんをとろとろに蕩けさすには、きちんと順番を守らないと。 暁は込み上げてくる欲情を必死に抑えて、雅紀の下着の脇のリボンに手を伸ばす。テロンとした質感のリボンの端を引っ張ってみる。結ぼりは呆気なくスルっと解けて、下着がズリ下がった。 「っ、んぁっ、ダメっっっ」 雅紀がキスを必死に解き、悲鳴のような声をあげる。 「ダメじゃねえだろ?ここ、直に触って欲しいよな?」 ぐっと低音に抑えた声で囁きかけると、雅紀はリボンを掴んだままの手首をぎゅっと握ってきて、ぷるぷる大きく首を横に振った。 「ここじゃ、ダメです。見えちゃう……」 「見えちゃうって…誰にだよ?俺しかいねえじゃん」 「月が……見てます……」 暁は目を見開き、ガラス窓の外を見上げた。そういえば今日は満月だ。青白い光を放つ月が、遠くからこちらを見ている。 ……や。月になんか見られたっていいじゃん。くっそ~。なに可愛いこと言っちゃってんだよ~。 「ふーん。見られて恥ずかしいんだ?雅紀くん。そうだよなぁ。もうここ、えっちになってるもんな」 暁は、ズリ下がった下着の上にひょこっと顔を出している雅紀のペニスの先っぽを、指先でつんつんとつついた。もうほぼ完勃ちしているソコが、ふるふると震える。 「先っぽ、濡れてるぜ?」 頬に顔を寄せて耳に直接囁くと、雅紀はじたばたともがいた。耳まで真っ赤になっている。 「暁さ、の、ばかぁ。も、やだ。えっちなこと、しませんっ」 盛大に恥ずかしがって、くるりと背を向け逃げ出そうとするのを、後ろから捕まえて抱き締めた。 「こらぁ。逃げんなっつーの。ほら、見てみろよ」 羽交い締めにして、ガラス窓の方を向くと、ガラス窓を見つめた雅紀と目が合う。 「いやらしいぜ、雅紀。すげえ可愛い」 ウィッグをつけ、ドレスを着たままの雅紀は、可愛らしい女の子のままだ。それなのに、ズリ下がった下着から、濡れた亀頭がひょこっと顔を覗かせている。それはとても淫靡で倒錯的な眺めだった。 雅紀はうっかり見てしまった自分の姿に、一瞬驚いたように目を見張って固まり、急に泣きだしそうに顔を歪めた。 「や……やだ……」 「エロいよな、こういうの。見てると興奮してきちまう」 暁が掠れた声で思わず呟くと、雅紀は振り返ってこちらを見上げてくる。 「……エロい……?」 「ああ。すげえ……クる。ほら、俺のここ、デカくなっちまっただろ?」 暁がそう言って、昂ったイチモツを雅紀の尻に押し付けると、雅紀はゆっくりと視線を下に落としていって 「……大きく、なってる……」 「っ」 雅紀の指が、不意に股間のふくらみに触れた。スラックスを押し上げたソコを、細い指がなぞるように動く。 ……っう。やべぇ。気持ちいい。 思わず腰を突き出すと、雅紀は身体ごとこちらを向き、真剣な表情でソコをまさぐり始めた。 いつの間にやら、形勢逆転だ。 暁は呻きそうになって、口を引き結んだ。 「暁さんの、ここ。すごい……おっきい…」 ……や。いやいや。今この状況でそういうこと言うか?我慢出来なくなっちまうっつの。 雅紀の細い手でこちょこちょ弄られていると、気持ち良くて勝手に腰が前に出る。 雅紀は嬉しそうに微笑むと、スラックスのホックに指を掛けた。 外されてファスナーも下ろされて、押さえられていたペニスが下着ごと勢いよく飛び出す。 「ふふ。暁さん、俺よりえっちです」 雅紀は呟いて上目遣いににこっと笑うと、手は大胆にペニスを下着ごと、ぎゅっと握り締めた。 「……っう、」 しなやかな指が、昂りに絡みつく。そのままこしこしと、上下に擦られて、暁はぎゅっと眉を寄せた。

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