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バレンタインデー特別番外編「幸せな誤算」36※

「暁さん。気持ちいい?」 気がつけば、雅紀は自分の前にしゃがみこんで、下着から取り出したイチモツを両手でこしこし扱いていた。 スカートの裾をふわんっと床に広げ、上目遣いにこちらの表情を窺う雅紀は、とても愛らしい。 だが、このシチュエーションでは完勃ちしてしまった愚息が……そう長くはもたない。恐らくあっという間に暴発してしまう。 暁は、雅紀の肩に手を置き 「ああ……気持ち、いいぜ。でもさ、…っ雅紀、俺は、おまえを」 「暁さんは、動くの、禁止です。今日は俺が、暁さんのこと、気持ちよくするんだから」 ピシッと遮られて、暁は恐る恐る雅紀の目を見下ろした。 ……やっぱこいつ、なんか……怒ってる?のか? 「や。でも、雅紀、そんなされたらさ、俺、イっちまうぜ?」 「いいですよ。イっても。俺、暁さんが気持ちいい顔するの、見たいし」 ……うわぁ……やっぱ怒ってんだろ、こいつ。やっぱアレか?祥悟の尻に見蕩れてたってやつか? 「雅紀、おま、なんか誤解してんだろ、ちげえって、あれは、……っっっ」 剥き出しになった自分の先っぽに、雅紀の舌がちろっと伸びた。ぺろっと舐められて身体がビクつく。 「これ……舐めてもいいですか?」 「う……いや、でもまだシャワー浴びてねえし」 「大丈夫。舐めますね?」 雅紀はにこっと笑って、今後は小さい口を大きく開け、ぱくっと食いついた。 ……~~~っっっ。 ヤバい。本気でまずい。 雅紀の熱くて濡れた粘膜の感触もだが、人形のような清楚な美人さんが、跪いて己のソコを咥えている情景が……ヤバすぎる。 昂りに一気に血液が流れ込み膨張する。腰が甘重く痺れて、内股が引き攣った。 かぷっとソコを咥えた雅紀が、ちょっとビックリしたように上目遣いで見上げてくる。急に更にデカくなったソレに驚いたのだろうが、咥えたままで上目遣いなんて更にヤバい。 ……エロすぎるっ。くはぁ……天使かよ! 大きな瞳がうるうると見つめている。 その小さな口いっぱいに頬張っているのは自分の愚息だ。 暁は急激にせり上がった快感に、必死で息を詰めた。 ……かろうじて、暴発は免れた。だが、まだ油断出来ない。 「…っは、ま、雅紀、な、するならベッドに、」 「ほほでひいでふ」 その変な呪文の意味は「ここでいいです」だろうか。 愛らしい姿と表情に似ず、ものすごい頑固だ。頑固すぎる。 ぺろぺろと、小さな舌が括れの所を舐め始めた。暁は抵抗を諦めて、雅紀から目を逸らして窓ガラスを見る。 ……っ。 見なければよかった。そこには更にすごい情景が映っていたのだ。 慌てて目を逸らし、うろうろと視線を彷徨わせた。 ダメだ。今は何を見ても煽られてしまいそうだ。 目を瞑り、何か別のことでも考えて、気を散らすしかない。 暁はぎゅっと目を瞑り、店で出すデザートプレートの内容を思い浮かべてみた。 ……やっぱ、こないだ試作してみたレアチーズケーキをメインにしてみるか。舌触りが滑らかで……っく、舌触りが、っうっ。 雅紀の舌が括れにぺろんと絡みつく。 思い浮かべたレアチーズケーキは、あっという間に雅紀の可愛い唇と舌に変わった。 ……う。この、感触、堪んねえっ。 ダメだ。目を瞑って情報を遮断すると、下腹の感覚が研ぎ澄まされる。 むしろ逆効果だった。

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