89 / 175
バレンタインデー特別番外編「幸せな誤算」43※
「んぅ……も、あき、らさ、……だめ…っんぁん…っ」
雅紀が堪りかねたように身を捩る。
正直こちらも、もう限界だった。柔らかく熱く熟れた雅紀の中に、早く潜り込みたい。
「…っ、俺も、そろそろ、ヤバい。いいか……?挿いっても」
「んぅ…………きて…?」
仔猫ちゃんのせつなげで可愛いおねだりに、愚息がドクンっと跳ねる。
「っ、雅紀……ちょっと、壁にさ、…っ背中つけて、もたれてみ?」
言いながら指をそっと抜き取り、雅紀の身体をくるっと反転させた。雅紀はちょっと驚いたように大きな目を真ん丸にして、こちらを見上げている。暁は優しく笑いながら片目を瞑ってみせて
「前からさ、1回やってみたかったんだよ、これ」
華奢な身体を抱き竦めながら壁に押し付けて、片手でしっかり支え、もう一方の手で雅紀の片脚をすくい上げる。
「…っあ、」
「これならさ、顔見ながら、ひとつになれんだろ?」
脚を大きく持ち上げられて、必然的に股を開いた格好に、雅紀は耳まで真っ赤になって恥じらって身を捩る。
「両手をさ、俺の首に回して?」
恥ずかしそうに顔を背けながら、雅紀はおずおずと手を首の後ろに回した。
「しっかり、捕まってろよ?」
暁は念を押しながら、腰を落として、雅紀の窄まりに自分の昂りを押し当て、ぐっぐっと少しずつ突きあげ始めた。充分な硬さのソレが、雅紀の狭い隘路をじわじわと拓いていく。
「んんっくぅ、……んく……ぅ」
最初はどうしても、ちょっと辛そうだ。
暁は慎重に腰を進めて馴染ませていった。
一番張り出したカリの部分が、雅紀の中にすぽっと収まる。
雅紀は、はくはくと小刻みな呼吸を繰り返した。
「はいった、ぜ?…っ、大丈夫か?」
「んっく…ん、ん、だい、じょぶです」
「力、抜いてろよ、すぐ気持ちよくするからな」
暁は荒い吐息混じりに囁くと、雅紀の腰に両手を回して、ぐいっと抱き寄せた。小さく押し引きを繰り返し、雅紀の浅い場所に自分のモノを擦り付ける。
「んあ、んぅあ、んぅ、…んぅ…っ」
喘ぐ雅紀の声に、少しずつ艶が乗る。
愚息がいいところに当たっているのだろう。
「っ、どう、だ?…っ気持ち、いいか?」
雅紀は首にしがみつく手にぎゅーっと力を込めて、こくこくと頷いた。
……あ……く、やっべ。すっげ、いい…
いつもとちょっと違う体位で、互いに当たる角度が違っている。不安定な状態がかえって、興奮を煽る。
雅紀の狭い中が複雑にうねりながら絡みつく。抵抗の強かった内壁がゆるんで動きがどんどん滑らかになる。
「ああん、ぁ、ぁ、んぁ……っん」
掠れた雅紀の喘ぎ声が、耳に心地よい。
感じている。気持ちよくなってる。
暁は無意識の緊張をゆるめ、ゆっくりと大きく動き始めた。
ともだちにシェアしよう!