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バレンタインデー特別番外編「幸せな誤算」43※

「んぅ……も、あき、らさ、……だめ…っんぁん…っ」 雅紀が堪りかねたように身を捩る。 正直こちらも、もう限界だった。柔らかく熱く熟れた雅紀の中に、早く潜り込みたい。 「…っ、俺も、そろそろ、ヤバい。いいか……?挿いっても」 「んぅ…………きて…?」 仔猫ちゃんのせつなげで可愛いおねだりに、愚息がドクンっと跳ねる。 「っ、雅紀……ちょっと、壁にさ、…っ背中つけて、もたれてみ?」 言いながら指をそっと抜き取り、雅紀の身体をくるっと反転させた。雅紀はちょっと驚いたように大きな目を真ん丸にして、こちらを見上げている。暁は優しく笑いながら片目を瞑ってみせて 「前からさ、1回やってみたかったんだよ、これ」 華奢な身体を抱き竦めながら壁に押し付けて、片手でしっかり支え、もう一方の手で雅紀の片脚をすくい上げる。 「…っあ、」 「これならさ、顔見ながら、ひとつになれんだろ?」 脚を大きく持ち上げられて、必然的に股を開いた格好に、雅紀は耳まで真っ赤になって恥じらって身を捩る。 「両手をさ、俺の首に回して?」 恥ずかしそうに顔を背けながら、雅紀はおずおずと手を首の後ろに回した。 「しっかり、捕まってろよ?」 暁は念を押しながら、腰を落として、雅紀の窄まりに自分の昂りを押し当て、ぐっぐっと少しずつ突きあげ始めた。充分な硬さのソレが、雅紀の狭い隘路をじわじわと拓いていく。 「んんっくぅ、……んく……ぅ」 最初はどうしても、ちょっと辛そうだ。 暁は慎重に腰を進めて馴染ませていった。 一番張り出したカリの部分が、雅紀の中にすぽっと収まる。 雅紀は、はくはくと小刻みな呼吸を繰り返した。 「はいった、ぜ?…っ、大丈夫か?」 「んっく…ん、ん、だい、じょぶです」 「力、抜いてろよ、すぐ気持ちよくするからな」 暁は荒い吐息混じりに囁くと、雅紀の腰に両手を回して、ぐいっと抱き寄せた。小さく押し引きを繰り返し、雅紀の浅い場所に自分のモノを擦り付ける。 「んあ、んぅあ、んぅ、…んぅ…っ」 喘ぐ雅紀の声に、少しずつ艶が乗る。 愚息がいいところに当たっているのだろう。 「っ、どう、だ?…っ気持ち、いいか?」 雅紀は首にしがみつく手にぎゅーっと力を込めて、こくこくと頷いた。 ……あ……く、やっべ。すっげ、いい… いつもとちょっと違う体位で、互いに当たる角度が違っている。不安定な状態がかえって、興奮を煽る。 雅紀の狭い中が複雑にうねりながら絡みつく。抵抗の強かった内壁がゆるんで動きがどんどん滑らかになる。 「ああん、ぁ、ぁ、んぁ……っん」 掠れた雅紀の喘ぎ声が、耳に心地よい。 感じている。気持ちよくなってる。 暁は無意識の緊張をゆるめ、ゆっくりと大きく動き始めた。

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