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バレンタインデー特別番外編「幸せな誤算」46※

互いに腰を揺らしながら、同じ高みを目指す。自分の尻に智也の下腹があたる音と、繋がった場所から漏れるぐちゅぐちゅという水音と、共鳴し合う甘い吐息。 ……あ……いいっ、気持ちい、あぁ…っ 突き上げる度に、智也のソコは熱と膨らみを増していく気がする。そして受け入れる自分の内壁も、それを飲みこみ味わおうと貪欲に絡みついている。 快感の波がどんどん勢いを増す。 祥悟は喘ぎながら壁にきゅーっと爪をたてた。 「あ、っは、とも、や、イく…っも、イくっ」 「祥っ、俺も、っ一緒に…っ」 呻くような智也の低い声が獣じみていて、雄特有の艶を滲ませている。その声に、またゾクゾクっと感じて、祥悟は歯を食いしばった。 尻を大きく前後に揺らし、智也の昂りを煽る。智也は、はあはあと荒くおめきながら、ラストスパートをかけた。 「…っ、祥、いく、よっ」 「んあ…っあ、イく…っ」 激しい突き上げの直後、智也が最奥で動きを止めた。膨張しきった熱を一気に解き放つ。熱い飛沫が中を濡らす感触に、祥悟も低く呻いて首を仰け反らせる。 ほぼ同時にのぼりつめ、甘やかな悦楽の時を共有する。ビクンビクンと震える智也に自分の震えも重なった。 「……大丈夫……?」 心配そうに覗き込んでくる智也に、祥悟は苦笑した。 「おまえ、無茶し過ぎ。腰と足、ガクガクだし」 洗面所の鏡の前で、同時にイった直後に一瞬飛んでいたらしい。智也が抱っこしてベッドに寝かしてくれて、はっと正気に返ったが、身体中が気怠くて指一本動かしたくない。智也は添い寝してしっかりと抱き締めてくれていた。 「ごめん……ちょっと無茶してしまったね」 しょぼんと肩を落とす智也の情けない表情に、祥悟は笑いながら手を伸ばし、鼻を摘んだ。 「おまえってさ、強引なんだか遠慮がちなんだか、さっぱりわかんねえのな。さっきはあんなに変態ちっくに、エロいことしたくせにさ」 鼻を摘まれたまま、智也が眉尻をさげる。こういうこの男の態度を、うっかり可愛いと思ってしまうんだから、自分もたいがいだとは思う。 「気持ち……よかった?」 「ん。ヤバいくらいな。えっちして飛んじゃったのって久しぶりだもん」 「俺も……すごく、よかった」 吐息混じりの満足そうな智也の声が、耳に心地いい。 「でもさ、あの体位、そうそうは出来ないよね。おまえの足腰が持たねえし?」 鼻から手を離して祥悟がニヤリとすると、智也も目を細めて苦笑した。 「ああ……たしかに。もう若くはないからね。無茶し過ぎると後が怖いな」 祥悟はむくっと身を起こすと、智也の上に覆い被さった。 「んじゃ、今夜のえっちはもうおしまいかよ?せっかくこんな豪華な部屋に泊まってんのにさ。ベッドは寝るだけ?」 智也はくすくす笑いながら 「君がしたいならとことん付き合うよ、お姫さま」 祥悟はふふっと笑って 「なあ、智也?せっかくのスイートルームじゃん?俺ちょっと、やってみたいこと、あるんだけど?」 その言葉に智也が不思議そうに目を見開いた。 「やってみたいこと?また別の体位かい?」 「んー……あのさ」 祥悟は智也の唇にちゅっとキスを落とすと、思いついた計画を話し始めた。

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