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バレンタインデー特別番外編「幸せな誤算」80※
「んぅぁ……ぁん、……っんぅ」
下からゆっくりと突き上げる。雅紀は足の指先でシーツをぎゅっと引っ張り、愛らしく鳴いた。
「どうだ…?…っこれ」
「んぁん…んぅ……ぃぃ……」
柔らかくほぐれた雅紀の中が、自分のモノをきゅうっと包んでうねる。気持ちいい。激しく出し入れするよりも、交わっているという一体感に、心が満たされていく。
「…っ俺も、いいぜ。すっげ、いい」
その言葉に雅紀の中がきゅっきゅっと締まった。気持ちいいのだと言葉で伝えてやると、雅紀はすごく嬉しがるのだ。
何度身体を重ねても、雅紀は自分の快感を追うよりも、こっちの気持ちよさを確かめたがる。秋音としている時も、それは同じだ。
雅紀とこうしてセックスしていると、身体以上に心が満たされる。自分はこいつに愛されているのだと実感出来るし、もっとこいつを愛してやりたいと痛切に思う。
与え合い伝え合う愛情は、雅紀が教えてくれたのだ。
雅紀の身体を、後ろから包み込むようにして抱き締めた。ぴったりと重なった肌の温もりが愛おしい。
「んんぅ……」
ゆるゆると腰を揺さぶる。うっとりと雅紀が喘ぐ。柔らかい耳たぶにキスをしながら、暁は囁いた。
「愛してるぜ……雅紀」
雅紀はぷるぷるっと微かに震えて、甘やかな吐息を漏らした。
「暁、さん……」
「なんだ?」
「俺も……大好き……愛してる」
暁は腰の動きを少しずつ大きくし始めた。シーツに足を突っ張らせて、雅紀が腰を浮かす。両手で腰を掴んで支えてやると、雅紀は低く喘ぎながら中のペニスを舐るように、腰を回して動き始めた。
……ああ……やべぇ……気持ちいいぜ……
丸みの可愛い小さな尻が、自分を咥えてくりくりと動く。ひくつく中のうねりが、堪らない快感を生んでいく。
「……っ、そろそろ、出るぜ。おまえも、一緒に…っ」
雅紀はこくこくこくと頷くと、尻を更に持ち上げた。腰を両手で固定して抜き差しを大きく速くしていく。
急速に熱が上がった。雅紀の喘ぎも切羽詰まった色を帯びてくる。
……っ、イくっ
手を伸ばして、雅紀の前で揺れているペニスをきゅっと握った。ソレは張り詰めて今にも弾けそうになっている。
「雅紀…っイく、ぞ…っ」
奥まで突き入れた瞬間、ぶわっと自分の熱がふくらんだ。
暁は動きを止め息を詰める。
熱情が一気に弾けた。
同時に手の中の雅紀のモノも、ふくらみきって弾ける。
「あっ、あああ……っ」
仰け反る雅紀の身体を強く抱き締め、暁は放出の悦びに意識を委ねた。
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