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バレンタインデー特別番外編「幸せな誤算」90※
雅紀はため息をつきながら、ショーツに片足を通した。薄手の生地が引っ掛けて破れてしまいそうでヒヤヒヤする。
……女の子って……大変だな……。
恐る恐る、もう一方に足を入れようとした時
「雅紀のお尻、ちっちゃいなぁ……」
感心したような声に、ハッとして振り返ると、壁に寄りかかって腕を組み、こちらを見ている祥悟と目が合った。
「っ、しょ、祥悟さんっあっち、見ててって」
「いいじゃん。別に減るもんじゃないし。脚も細いねぇ。折れそうじゃん」
慌てて身体を隠したいが、焦って動くと下着を破ってしまいそうで、雅紀は金縛り状態だ。祥悟はふんっと小さく鼻を鳴らすと、壁に凭れていた身体を起こし、つかつかと近づいてきた。
「わ。もう。見ないで、くださいってば」
身体を縮こまらせる雅紀に、ぴったり寄り添うように立って、さらっと尻を撫でてくる。
「ひゃあ…っ」
思わず変な声が出てしまった。祥悟はくくくっと喉を鳴らして笑い
「なにその仔猫みたいな声。雅紀ってほんと可愛いよね。ほら、支えててあげるからショーツ穿いて?」
腕をぐいっと持たれ、雅紀は俯きながらどうにかショーツを穿き終えた。前を覆う三角地帯が狭すぎて、アソコの収まりが悪い。祥悟はちろ…っと下に視線を落としている。
「お尻、小さいから何とか入ったけど……前は隠しきれないよね、それじゃ」
祥悟の言葉に恥ずかしくて耳まで熱くなる。雅紀はもじもじと太ももを捩り合わせた。
「お次はブラか。腕、あげて?」
ブラジャーを指先で摘み上げ、背後に回りながらこちらの身体を鏡の方に向かせる。
「じっとしてて」
ブラを胸にあてさせながら、耳元で囁いてくる。吐息が擽ったくて、雅紀はきゅっと首を竦めた。
「なんか倒錯的だよね、こういうのってさ」
ふくらみの全くない平らな胸に、お人形さんの衣装のような甘ったるいデザインのブラジャー。そっと鏡を盗み見ると、たしかになんとも妖しい姿の自分がいる。
祥悟は慣れた手つきでブラの後ろのホックを留めてくれると
「最近、女って一切抱いてねえからさ。こういうのって久しぶりかも」
囁きながら耳たぶにそっと唇で触れ、ブラのカップを上から手のひらで包む。
「雅紀ってさ、乳首、感じるの?」
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