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SS『傷口を舐める』智也と祥悟編 5

祥悟が、スウェットのウエスト部分に指を引っ掛けた。彼が自分の前に跪き、下半身に顔を埋めているこの体勢だけで、実はかなり妙な気分になってきているのだ。 ……これは……まずいって。 ついさっきまで、頼りなげな幼い顔で大粒の涙を零していたくせに。 焦る智也を無視して、祥悟はスウェットを下着ごとずりおろしてしまった。 若干熱を帯び始めた自分のペニスが剥き出しになってしまった。 「祥、ダメだよ、それ、……っく」 焦って顔をあげさせようとした瞬間、祥悟の手がペニスに触れた。 変な声が出そうになって、慌てて口を噤む。 「……勃ってる」 ボソッと祥悟が呟いて顔をあげた。 その目はまだ涙で潤んでいるのに、やっていることがちぐはぐ過ぎる。 ……この、小悪魔め。 祥悟の手がもみもみと動く。そんなことをされたらひとたまりもない。 「もしかしてさ、おまえ……溜まってる?」 「っ」 小首を傾げるちょっとあどけない表情にどきっとして、彼の手の中のモノがひくりと震えた。 「そっか……抜いてねえもんな、病院じゃ。それどころじゃなかったしな」 ……いや。それなりに生理現象はあったんだけどね……。 怪我した場所が場所だけに、高熱が続いていた時は、もちろんまったくそんな気にはならなかった。 でも、容態が安定して祥悟のパニックもおさまり、日中は甲斐甲斐しく世話を焼いてくれた彼が消灯時間になって帰ってしまうと、無性に寂しくなって……こっそり自分で抜いたりしていたのだ。もちろん、この愛しい天使の艶っぽい姿をあれこれ想像しながら。 言葉に詰まって目を逸らすと、祥悟が伸び上がって顔を覗き込んできた。 「抜いてやろうか?これ」 言いながら掴んだソレを、形をなぞるようにしながら揉み込んでくる。 ほっそりとした長い指が絡みついて、もにゅもにゅと動く。 「……っぅ」 「お……デカくなった」 ……デカくなった、じゃないよ、まったく……。ここまでされて、反応しないわけがないじゃないか。

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