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智也&祥悟BIRTHDAYSS「吐息のようにKissしてよ」1

※1/22は真名瀬智也と橘祥悟のBIRTHDAY。 このお話はそのお祝いのBIRTHDAYSSとして書いていたものですが、明日はバレンタインデーなので、バレンタインデーSSの代わりに、こちらに更新していきますね。 ※※※※※※※※※※ 「お、あれってさ、惟杏さんじゃん?」 「え?」 セレクトショップのドアを開けようとした途端に、祥悟につんつんと上着を引っ張られた。振り返って、祥悟の指が小さく指し示す方を見る。通りの向こうから、2人連れの男女が歩いてくる。女性の方は祥悟が言うように、元モデル仲間でスタイリストだった惟杏さんだ。 「ああ……本当だ」 「隣にいるのってだんなかな?」 智也は目を凝らして連れの顔を見つめてから首を傾げた。 惟杏さんが実業家の男と結婚したことは知っている。結婚式の招待状ももらった。仕事の都合で出席は出来なかったが。 だが、相手はたしか惟杏さんよりかなり歳上だったはずだ。今、隣にいるのはどう見ても惟杏さんより10歳近く若い男だった。 「いや……多分違うよね」 「だよな」 祥悟も不思議そうに首を傾げた。 明らかに旦那ではないが、腕を組んで仲睦まじい様子に見える。男は惟杏さんより長身で、遠目にもかなりのイケメンに見えた。 「……不倫?」 「うーん。それはどうか分からないけど……かなり親しそうだね」 祥悟はふんっと軽く鼻を鳴らすと、2人の方に向かって歩き出す。 「あ、祥、」 智也は慌てて後を追った。 「ね、わざわざ声掛けなくても、」 祥悟は呼び掛けを無視してずんずん近づいて行く。仕方なく智也も追いついて隣に並んだ。 「あら……」 まだ距離はあるが、惟杏さんがこちらに気づいて目を見開く。 祥悟はつかつかと歩み寄ると 「お久しぶりです、惟杏さん」 途端に惟杏さんが、華やかな笑顔になった。 「お久しぶりね、祥悟くん。真名瀬くんも」 智也はちょっと気まずい気分で微笑んだ。 「お久しぶりです」 惟杏さんは男と腕を組んだまま、くすくすと楽しげに笑って 「相変わらず目立つわね、貴方たち。どこの芸能人かと思ったわ」 間近で見ると、連れの長身の男は日本人ではないと気づいた。髪の色は暗めの茶色だが、目の色が青い。 「惟杏さんも目立ってるけど?カレシ?」 祥悟は横目で隣の男をちらっと見て首を傾げる。惟杏さんはふふ…っと笑って 「うーん。カレシじゃないけど、おトモダチ、かな?」 悪戯っぽい目をしてみせる。 「ふーん……」 祥悟はにこりともせずに鼻を鳴らして、隣の男をじ…っと見つめた。 惟杏さんはたしか、自分より2歳上のはずだったが、今でも充分に綺麗な人だ。下手をすると祥悟よりも年下に見えるくらい若い。智也はちょっと感心しながら、惟杏さんと連れの男をそっと見比べた。 「ね。せっかく会えたんだし、どこかでお茶でもしない?」

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