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シャツの中に孝之の冷たい手のひらがもぐりこんだ。腹を滑り簡単に理一の胸に辿り着く。
「あっ!」
ギリっと二つの突起を摘まみ孝之は力をさらにこめた。
「あっ!痛い!」
「理一は嘘つきだな。痛い?喜んでいるようにしか思えないぞ。さっきより尻の穴がヒクついている。淫乱な男だな、理一は」
「お……お願いします。もう……」
「今は仕置き中だ!願いなどきけるか!」
スパァァン!!!
「あああ!孝之さん!!」
「口をつぐんでいなさい」
スパァァン!!!
閉じた口の端から唾液がこぼれた。飲み込んでも飲み込んでも溢れてくる。痛いくらいに勃ちあがっているのに解放されない分身の代わりのように。
「口をとじろといったはずだ」
孝之に顎を掴まれ零れた唾液を唇に塗りつけられる。理一にとっては孝之に施される口づけと同じ行為。自分に触れている孝之を感じた時点ですべてが快感へと変わる。それがどんな形であっても。
言葉にできない懇願を胸の中で押しつぶしている理一の目には涙が溜まっている。孝之はそれを満足気に眺めた。吹き出しそうになっている言葉を必死に飲み込む理一。すべては孝之の許しを待っているからだ。「よし、いいぞ」と言われることを。触れられることを。
だが孝之はここで許すつもりはない。どこまでついてこられるのか、それをとことん追求したいからだ。苦しみながら付き従う理一を見下ろし最後には褒めてやりたいからだ。苦悶と歓喜を行き来する理一の姿は孝之の理想と言っていい。
「零れるとスーツが汚れる。飲み込みなさい」
理一の喉仏がゆっくり上下する。手を伸ばし触れたいだろう両手はデスクに張り付けたまま、ひたすら待っている――孝之を。
性的快感に似た衝動が孝之の背筋を這い上がる。
「封筒をぬらした罰!」
スパァン!!
「ああ!!あ……あああ!!」
たて続けに施される熱と振動が、勃ちあがった陰茎に伝わり爛れた欲に支配される。欲望の先端がブルリと震え溜まった先走りが垂れてしまう寸前だ。自分のモノがどんな様子になってしまっているのか、その姿を見た理一は追い詰められる。孝之の責めと自分の痴態に。
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