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episode3-15

【京side】 「………あいつ、絶対寝てる。」 いつもなら15分とか、長くても30分以内には出てくるはずの侑稀が 一向に風呂場から戻ってこない。 「あれだけ寝るなっつったのに…。」 俺は仕方なく使用中のコンロの火をきって 風呂場に向かった。 「ゆーきー、侑稀、お前寝てるだろ、開けるぞー?」 ドアを開けると 案の定侑稀は浴槽に浸かったまま眠っていた。 「おい、起きろって、溺れんぞ。」 「んー…、…うわっ、京、」 「うわっ、じゃねぇよ笑はやく出てこい、眠いのはわかったから。」 「……どれくらい寝てた、俺。」 「30分は出てこなかった。」 俺が言うと、このまま溺れて死ぬとこだった、とあまりに真顔で言うから 変なこと言わないで早く上がってこい、と俺は笑った。

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