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episode4-32
「先輩、お先でーす。」
「おーう。…あっ、高野、そういやさ。」
「…?なんですか?」
「この前のお前の…、じゃねぇや、友達の話。どうなった?」
「……あー…、」
どーなんすかね、と俺が言葉を濁すと
おいおい、と先輩は苦笑いした。
「……これも友達の話なんすけど。」
「あぁ。」
「この前、大して酔っ払ってもないのに酔っ払ったふりしてちょっと距離縮めてみた、らしいんすよ。」
「ほぉ。」
「……次の日、昨日は迷惑かけて悪かったなって言ったら物凄いキョドられました。」
いつも通り記憶なくしてると思ってたみたいで、と俺が言うと
なるほどねぇ、とまた先輩は苦笑いした。
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