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episode5-4

「………全然つかないし。」 「ふっ、へたくそ。」 こうだって、と京は俺の手の甲に ちゅ、とやり方を教えるように吸い付いて印をつけた。 「っん、……むー…、全然つかねぇし。」 「あー、そんなに可愛い顔すんな、行きたくなくなるだろーが。」 何回やっても痕がつかなくて悔しいから もう知らね、とリビングの方へ行こうとすると ぐっと手首を京に引っ張られた。 「わっ…!ちょ、んんっ…!」 なんだよいきなり、と俺が言うと 口にもキスしてほしくなったから、と京は笑った。 「あー…、このまま侑稀と1日寝ててぇなー…。」 「……京が帰るって言ったんだろ。」 「そーゆーつれないこと言うなって。」

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