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episode5-5
「………行ってらっしゃいのちゅーは?」
「……早く行かねーと電車遅れんぞ。」
「別にそんなに急いでねぇし。」
してくんねぇの、と京が俺の目をじっと見るから
あーもーわかったよ、と俺は京の顔を両手で挟んだ。
「…ちゅ、ほら、これでいいだろ、」
「……ふっ、初めて見た、目ぇ開けたまんまキスしてくる奴。」
「………うっせ。」
もうしないから、と俺が言うと
だめだめもう1回して、と今度は京が俺の顔を両手で挟んだ。
「…あーもう、ほんとに行きたくねぇ。」
これ以上したらまじで行かれなくなるから、と京は体を起こして
仕方ないから行くかー、と鞄を持った。
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