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episode5-38

「………お、またせ、」 「遠いって笑……こっちきな?」 「………ん。」 半分くらいは 俺からしかけたようなものだ。 それなのに、いざ今からってなると緊張して体に力が入った。 「………緊張してんの?」 「………しないわけ、ないだろ。」 「ふっ、それもそっか。」 ベッドに腰掛けていた京は 俺の手を引いて、自分の胸のあたりに当てた。 「………俺もだから。」 「………慣れてるくせに。」 「遊びはね。」 本気になるのは初めて、と笑った京の顔が ドキッとするくらい色っぽくて 俺は思わず目を逸らした。 「…電気、消す?」 「………暗いのは苦手。」 「じゃあつけっぱ?」 それも嫌、と俺が言うと じゃあサイドランプだけつけるか、と京はベッドのすぐ隣にあるランプをつけた。

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