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episode6-35
「うわ、目の前海じゃん!」
「おおすげ、全然気づいてなかった、」
駅のすぐ向こうにはもう海が広がっていて
もう10年ぶりくらいの海に、俺の寝起きのテンションも少しだけ上がった。
「とりあえず荷物だけ置きに行くか、」
「そだね。ホテルから直でビーチ行けるんだっけ。」
「そ。わざわざ海に1番近いホテルとったから。」
あっつい、と日差しに目を細めると
これ被ってな、と京は俺に帽子を被せてくれた。
「京は?」
「俺はへーき。」
京はそう言って、帽子の上からぽんぽん、と俺の頭を撫でた。
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