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六話め
それから毎日翔来と一緒に帰れて、もうそれだけで人生きらきら。あっという間に家に着いちゃうし、もっと一緒にいたいけど、流石にもう来週テストを控えてるから勉強しないとまずい。特に俺。翔来は大体トップテン入りしてるけど、俺は150人中80位代が通常運転である。しかも真面目に勉強してこれ。翔来とは勉強会をしたことがあるけど、真剣に問題に取り組む翔来ばかり見てしまって勉強どころではなかった。だから一人で頑張るんだ。
そう決意して勉強を始めるも、すぐリタイア。明日翔来に教室で教えてもらおうと付箋を貼っていく。教室だったらそんなに翔来の方見なければ済むからな…。
そして放課後。まだクラスメイトが残る状態で翔来と俺の机をくっつけて少しだけお勉強。
「…ここ、ここが分かんない」
「あ〜、お前証明苦手だもんな」
「うん、おしえて」
密かにお前呼びに胸きゅんしながら教えてもらう。
翔来は俺が(ん?)となった瞬間が分かるみたいですぐに戻って説明してくれるから教師より分かる。
「……ん〜?んう…これが、…えっと、」
教えてもらったのの応用問題を時間をかけて解く。一問にこんなかかってたらテスト最後まで出来ない…。
時々天井を見上げながら、書いては消してを繰り返して最後まで辿り着いた。
「…ん!これで良い?」
「見してみ」
どきどきしながら正解を待つ。
翔来は指でなぞりながら俺の解答を見てる。そして「正解」と言って頭を撫でてくれた。
「ほんとっ?やった〜!」
一問解けただけで、わーいと両手をあげて喜ぶ俺。頭いい奴からしたらアホみたいだけど、出来る問題が増えるってだけで嬉しい。
「稜」
にこにこしながら翔来を見るとまたあの顔で見られて、胸がきゅんきゅんする。
前と違ったのは、翔来の手が俺の後頭部に添えられて、おでこにキスされたこと。
「…………え」
「よくできました、ほら、次の問題」
「あ、うん、…えーと……」
え??何でキスされた?おでこだけど。
その後も教えてもらって、解いて、おでこにキスされて、、、
どういうこと???
問題は解けても、翔来の行動が意味不明だった。
家に帰ってから俺はもんもんしていた。
率直な感想としては、
「…嬉しかった、翔来かっこいい……」
ただそれだけなんだけどさ。
えっ、ていうかクラスまだ人いたよね?何で誰もこっち見なかったの?あれ、見てなかったよね?普通気にならない?男が男にキスしてるんだよ、おでこだけど!
まあ無駄に注目されなくて良かったのは事実、でもでもでも!なんで?なんで、あっもしかしていつものおふざけか!人の気も知らないで〜!むっとするも、結局翔来の感触を思い出して自室でひたすらにやにやしていた。
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