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七話め

テストも無事終わってあとは結果を待つだけ。今回はちょっといつもより出来たかもしれないぞ。それを翔来に伝えたら頭を撫でられて「楽しみだな」と言われた。……やけに最近ボディタッチ?が多いというか。うん、嬉しいんだけどね! また部活動が再開したので翔来とは帰れなくなってしまった。俺は動くのが面倒なので美術部に入ったが、ここ美術室はサッカーに励む翔来を見つめることができる。 汗を垂らしてボールを追いかけて、軽やかなドリブルは様になってるし、惚れてるフィルターを外してもかっこいい。誰が見ても翔来が一番かっこいい。 サッカー部が休憩に入ると、翔来は必ずこっちを見てくれる。片手だけ挙げる姿が同い年とは思えない程かっこよくて。俺は二、三回手を振って口パクで「頑張れ」と言う。これもお決まり。自然と当たり前になってる行動だけど、サッカー部の連中には仲良すぎだろといじられる。…それが嬉しい。俺と翔来は一番仲が良いことを自覚できる。 部活が終わる時間は運動部も文化部も同じなんだけど、サッカー部は最後に部長の話とか、顧問の話とかがあるから少し長引く。だから一緒に帰れない。 今日も一人か…と落ち込みながら靴を履き替える。すると正門を出て最初の曲がり角に差し掛かった時に突然肩を組まれた。普通に驚いて、うわっ!と体を引く。 「え、翔来?どうしたの、早いじゃん」 「うん、ちょっと早く終わってさ、稜の背中見えたからダッシュしてきた」 翔来だと分かった途端に、にこにこしてしまう俺。肩を組まれたまま歩いて、ふと翔来の匂いが香ってきた。 くんくんと無意識に吸ってしまうと、翔来が離れてしまった。…さすがに無自覚変態すぎるわ俺、まじ引く。 「あ、わりい、臭いよな」 どうやら自分が臭いと思って離れた翔来に本音を言いそうになった。滴る汗すらかっこいいし、臭くなんてない、もっと嗅ぎたいくらい。その思いをぐっと堪えて「平気」と伝えた。 離れてしまったが思いがけぬ翔来の登場にいつも以上に帰り道が早かった。すぐ家に着いてしまって、寂しくなる。今日金曜日だし、あと二日会えないのか… 「ばいばい」 これ以上一緒にいたらずっと離れられなくなりそうなので、すぐ玄関の門を開けた。 三段ある階段を登ろうとしたら、腕を引かれて、気付いたら翔来の腕の中にいた。 後頭部と背中に腕が回されて、ぎゅっとされる。 「えっ、しょ、翔来…?」 翔来はずっと黙ってて、いつもふざけあってる分余計心配になって、何か悩みでもあるのかと聞くと否定された。 下ろされたままの手を上げて翔来の背中をさすってあげると、ますます強く抱きしめられた。…うう、苦しいけど、嬉しい。俺この感触一生忘れない! 「…稜、顔上げて」 「ん?」 言われた通り見上げると翔来のかっこいい顔がドアップで、あ、と思った時には顔が真っ赤になってしまった。 「可愛いな、稜」 そしてテスト期間中によくされたおでこにキスをまたされて、じゃあなと背中を向けられた。 は?

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