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【0章】4

そんなことを繰り返すにつれ凛生はなんとなく俺の感情に気付いている素振りを見せる。悪びれもなく次から次に命令を下したあと、あの時のような高揚した瞳で問う。 「嬉しい?」 俺はそっと凛生の前髪に触れ額をなぞる。なんて愛しい生き物なんだろう。俺の感情は勢いをつけて増すばかりだ。たまらない。脳汁ぶちまけそう。 その時の凛生の解釈から自分の想いと差がなく捉えてくれたと確信した。俺に接するときはストイックすぎるほどで彼も俺に男を求めていない。ただ私利私欲のために俺を使い果たす。それでいい。確固たるアイデンティティの元に凛生の中にも俺がいる。十分すぎる、それ以上何もない。

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