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【1章】8

さて、今日はどう動くかな。 放課後の凛生は橋見と図書委員の日だ。それも18時からは、華道の習い事が待っている。凛生は学校生活も家のしきたりにも真面目だ。 東雲家は先祖代々から継ぐ華道の家元。凛生の父が今は担っているが、長男が家出同然のため次男の凛生が将来その席に着くことになる。昔から期待の重圧を受けすぎたせいで、いい子が抜けない。俺が思うにその息抜きが今に繋がっていると納得している。 もし凛生が少しでも嫌だと言うのならば、連れ出して共に逃げるのにとも思う。俺だって将来の決められたレールはあるが凛生のためなら喜んで投げる。けれど、ひとつも文句を言ったことがない彼はそんなことを望んではないだろう。 凛生の望まないことはしない。 今の凛生が望んでいることを片付けよう。俺は放課後に8番目に接触することを決めた。それに39番目、奴の行動を見ないとな。 橋見と並ぶ凛生の揺れる襟足を眺めながら、俺は着々と凛生のためにやるべき事を選んでいった。

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