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我ながら相当なクズだと自分でも思う。
何となく女の子とつきあったり、流されるまま体の関係を持ったり。その上子供を作ってしまい、結婚、離婚。
もしかしたら自分は、何か大事なものが心から欠落しているのかもしれない。だったらきっと誰のことも本気で好きになんかならない。一生一人きりでいい。愛されたいなんて思わない。そう思った。
息子の瑛太と会うのはお誕生日とクリスマスのプレゼントを渡す時だけだ。
香子は瑛太に広務のことを一応父親だと教えたらしく、幼稚園児の頃は「パパ」と呼んでくれていた。しかし小学生になってからは、パパともお父さんとも呼ばれたことがなかった。
それは仕方のないことだと割り切っている。年に二回しか会わない父親なんて遠い遠い親戚みたいなものだろう。
香子から連絡があるのはほぼ百パーセント瑛太がらみの用件だ。前回クリスマスプレゼントを渡すために会った時、香子の再婚について知らされた。
瑛太を出産した翌年、香子はさっさと復学した。瑛太の世話は両親に任せ、卒業後は念願だったバリバリのキャリアウーマンとなった。広務が毎月送る養育費にはいっさい手をつけず、自分の稼ぎだけで瑛太を育て上げたのは感心する。
そんな香子が離婚から十年たって再婚しようと言うのだから、広務は心から祝福した。相手の男性も瑛太のことを歓迎してくれていると言っていたのだが。
もしかしたらいざ一緒に暮らすようになって、何か問題が起こったのかもしれない。でもだからといって、広務がしてやれることなんてたかが知れているのではないか。
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