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第7話

ちょうど7:40。 時間ぴったりに、いつものようにチャイムが鳴る。 「いってきます」 両親に挨拶して、門の前で待っている一縷の元へ駆け出した。 「おはよ、いち」 「あぁ、おはよう。あお」 いつものように他愛もない話をしながら学校への道を歩いて行く。 いつもならちゃんと相槌をくれる一縷なのに、今日に限っては心ここにあらずって感じ。 何か考えているようだ。 表情がすごく険しい。 「いち、大丈夫?すごい苦しそうな顔してるよ?」 たまらず聞いてみたら、一縷は無理矢理作りましたって笑顔で「何でもない。ごめんな」と言う。 そんなこと言われたら、僕はこれ以上踏み込めないじゃないか。 学校に到着し、昇降口で靴を履き替え、それぞれの教室へ向かう。 クラスが違うから一縷がどんな様子なのか全然分からない。 一縷のクラスの子に、今日の一縷の様子をそれとなく聞いてみたけど、いつもと変わりなかったって言われた。 でも、朝のすごく険しい顔は絶対何かに悩んでいて、思い詰めてる証拠。 伊達に幼稚園から付き合ってきてない。 だけど、いつも吹っ切れたように一縷から話してくれるから僕は待つことにする。 一縷が僕に内緒にしてることなんて何もないはずだから。 僕はそれだけ一縷を信じてるんだ。 一縷の様子が変だった日から2週間が過ぎた。 あの日から一縷は特別変わった感じはない。 登校中に一縷が徐に僕に向き合い、「あお、今日あおの部屋に寄ってもいいか?」と尋ねてきた。 「もちろんだよ、いち」 やっと話してくれるんだ。 何か大事な話をしてくれるんだと思うけど、不謹慎にもすごく嬉しい。 そう思うと自然と満面の笑みになっていた。 授業も終わり、一縷がクラスまで迎えに来てくれた。 僕らの放課後は、いつも一縷が僕のクラスまで迎えに来てくれて家まで送ってくれる。 いつもは話しながら帰る道も一縷はずっと黙りを貫いていた。 難しい顔をしてるから話してくれる内容でも考えてるのかも…と思い、無理に話しかけることはしなかった。

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