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第14話
side蒼
夢を見た。
どこか遠い場所、遠い時代の夢。
僕は女の子だった。
正面に男の子がいる。
二人で微笑んでいる。
すごく幸せそう。
彼のことを僕は『壱瑠』よ呼び、彼は僕のことを『葵』と呼んだ。
デートしてるようだ。
だけどあまり長い時間一緒にいられないみたいで、寂しそうに別れを告げていた。
その後、二人は紋付き袴と白無垢を着て、走っていた。
駆け落ちかな?
二人ともすごく必死な顔で走っているし、何かに追われているようだった。
流れの速い川の近くで二人は何か約束をしているようだった。
どんな言葉だったか思い出せない。
だけどすごく大事な言葉だったような気がする。
そして、お互いが刃物を取り出し、刺し合って、川に飛び込んだ。
そこで目が覚めた。
すごく印象的な夢だった。
あの時交わしていた約束が何だったのか。
約束をするくらい、とても大事なことだから思い出さなきゃいけないはずなのに、全然思い出せない。
早く思い出さないと取り返しのつかないことになる予感がした。
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