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第10話

「生徒会長が好みのタイプなんて嘘だよ。本当のことを言う勇気がなくて、心にもないことを言ったけど、俺が惹かれてるのは会長じゃなく入江だ」 「……は、まじかよ」  思わず、といった口調だった。黒目がちな双眸に嫌悪の色は浮かんでおらず、それどころか、熱が灯ったように見える。もちろんそこには好奇心とか優越感とか、そんな類のチープな感情しかないだろう。 「ずっと入江の制服を脱がせてみたいって思ってた。そんな相手にこんな風にくっつかれて触られたら、反応するに決まってるだろ」  勃起しかけた柊馬のものを撫でていた入江の手を掴み、わざと押し付けるように腰を突き上げると、彼は焦って目を見開いた。 「ちょ、調子にのんな!」 「のってない。前から憧れてた入江にこんなとこ触られて、我慢できるわけないだろ。その気にさせた責任取れよ」 「はあ!? なんで俺が……」 「好きなんだ!」  かぶせ気味に告白すると、時間がとまったのかと思うほど、空間が静寂に塗り替えられた。  ――ここからが一世一代の大芝居だ。  絶対イケると踏んだ柊馬は、入江を抱く腕に力を込め、想いを注ぎ込むふりでぎゅうと抱きしめた。 「お前が言うとおり、俺は変態クソホモだから、一生恋もできずに童貞のまま死んでいくんだろうって思ってた。でも、入江がキスしてくれて、抱きついてくれて、欲が出た」
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