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三浦の親指は俺の頚動脈を探り、きちんと場所を確認してからそれを静かに塞き止めた。ぐうっ、と、指の腹が太い血管をゆっくり押し潰す感覚に震えた。 どくん、どくん。 こうされるとき、普段気にもしない首の血流を感じる。 強く押さえつけられたら多分数秒でトべるとこ。だけど三浦はそんなことしない。やったこともない。少し俺の吐息が浅くなった程度ですぐに離される。 本当に三浦はよくわかってる。そんな出だし一発で簡単にオとしたりしない。 流れるように、俺の喉仏に圧がかかった。血管の次に潰すのは気管だ。 あぁそう、こっち。こっちが好き。 じわじわ嬲られて、三浦の匙加減ひとつで全部キまるこっちが好き。 「か、はっ、ッ…」 「ふふっ、あははっ、絞められてでかくしてんじゃねーよ」 「……ぁ、あ っ゙、」 絶妙な力加減。緩く首を絞め上げられながら、多分、ケツのほうも締められてる。 三浦が、腕に体重を乗せ始める。 「……ア ゙っ…、ぃ、ゔら、もっど……」 「長沢。好きだよ」 俺の首の肉に三浦の端正な指が食い込んでいく感覚を拾う。たまんない。 どんどん吸い込める酸素が少なくなっていく。三浦の徐々に強くなる手の力は、俺から声を、そして呼吸を確実に奪っていく。 苦しくないといえば嘘だけど同等の快感でそんなの紛れている。 痛くはない。むしろ気持ちいい。まあ、セックスしてるし気持ちいいのは当然だけど。 「ぃ…ぅ、……」 みうら、と呼んだ。が、そろそろ発音がやばい域に来てる。 なおも絞める力はどんどん強くなる。爪がぎっちりと立てられているのがわかった。 口がもう閉じられない。 そんなときに三浦と目が合った。 ぎらぎらした性欲と剥き出しの殺意を明け透けに向けられ、どうしようもないほどに、勃つ。 きっと三浦になら殺されたって気持ちいい。 「なに?」 間抜けな呼び掛けにも三浦はちゃんと気付いて返事をくれる。俺自身でもよく聞こえない小さな声を、ちゃんとすくい上げてくれる。 嗚呼、好き。好きだ。愛してる。 三浦、世界で一番好き。 このまま死にたい。 三浦と繋がって、三浦に殺されて、全部がぜんぶ三浦で満たされて。最高に幸せな気分で死にたい。 腕が持ち上がらない。視界にもやがかかる。意識が薄まる。 でも三浦の存在を全身で強く感じている。 「……ご、…ぉ……え゙……」 「やだ」 即答だった。 三浦の声はどんなときも何よりも鋭利に俺の耳を貫く。 三浦が、笑った。 見下すように眉まで下げて、歪にニヤリと片方の口角だけをあげて笑う三浦。 その顔を見てイッた。 射精しながら、最後まで三浦を目に映しながら。 俺の意識はぷつりと途切れた。

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