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Ⅲ 光①
カツカツカツ
足音か
カツカツカツンカツン
硬質の靴音が意識を引き上げる。
四角く区切られた鈍色の鉄格子
突き刺した鋭い光
指先が銀縁眼鏡を持ち上げた。
(この制服はJSP)
襟の勲章……秘密警察JSP幹部だ。
「誤解なきよう。貴方がここにいるのは、貴方自身の身の安全のためです」
俺は国家反逆罪で逮捕されて、投獄されたんじゃないのか?
総理に逆らったから。
レンズの向こう、無機質な硝子玉の眼がすぅっと細められた。
「あの御方は、貴方の考察を超越しておられます」
どういう事ッ
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