13 / 18

Ⅲ 光①

カツカツカツ 足音か カツカツカツンカツン 硬質の靴音が意識を引き上げる。 四角く区切られた鈍色の鉄格子 突き刺した鋭い光 指先が銀縁眼鏡を持ち上げた。 (この制服はJSP) 襟の勲章……秘密警察JSP幹部だ。 「誤解なきよう。貴方がここにいるのは、貴方自身の身の安全のためです」 俺は国家反逆罪で逮捕されて、投獄されたんじゃないのか? 総理に逆らったから。 レンズの向こう、無機質な硝子玉の眼がすぅっと細められた。 「あの御方は、貴方の考察を超越しておられます」 どういう事ッ

ともだちにシェアしよう!