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第17話

これは合意…頭の中で何度も繰り返す。絡みついた腕も求める舌先も重ねるように合わさった身体の下腹部に当たる熱を持ち始めた塊も。 求められている…それがこんなにも胸を締め付け堪らなくなる。こんな風に胸が高鳴ったことがあっただろうか。 元カノとは友達からの延長でいつのまにか自然と隣にいるようになった。求めたというよりは始めても恋に舞い上がっていたような気がしている。彼女がいるという優越感は真田を舞い上がらせた。 裏切られるという結末で悲しく苦しんだことで閉ざして閉まった心は、その後付き合った人達にはのめり込むことはなかった。寂しさを埋める為だったのかもしれないと申し訳ない気持ちになる。 意思を持った手が合わさった身体の隙間でモゾモゾとベルトを外そうとする。男同士の営みは何となくはわかってはいるが何しろ初めての経験で戸惑っている。 覆いかぶさっているのが自分であっても同じモノを持つ同性だ。酔っ払っているフリなのは明確な清藤は、糸を引く唇を離しその琥珀色の瞳は壮絶な色香を放ちながら潤んだ瞳で赤い舌を覗かせ怪しく微笑んだ。 「…元希…入れたい?」 「あんた…慣れてんの?」 問いを問いで返せばふふっと笑みを漏らす。それはこの人が持っている空気なのかまたゾクゾクと下腹部に熱が集まっていく。 「初めてだって言ったろ?でもさ、元希とはしたいって思ってるんだよ。お前がしたいなら俺はいいよ」 「…友海さん…」 ボタンを外した隙間から細い指先が入り込み起ち上がった先端に触れ真田のビクンと身体が揺れる。それを嬉しそうに見ている目の前の恋人は中指を芯に添わせ弄ぶ。 「硬いな…俺で興奮してくれるって堪んないな」 もうこうなれば、されっぱなしなままではいけない。闘争心燃やすように清藤の股間へと手を伸ばした。 スラックスの上からでもわかる勃起したモノ。それは清藤の言ったように自分で興奮してくれている証だと嬉しくなる。 「元希のキスは気持ちいいな…ずっとしていたくなるな…」 お互いのスラックスをずらしそそり立ったモノを重ね合わせた。気持ちよさそうにその二本を両手で握り締めた清藤はキスを欲しがるように頭を起こす。 これが年上の余裕何なんだろうか。戸惑ってばかりいる真田を甘く誘導しているようにも見える。 ベールにその向こうには妖艶な魔物。その瞳に誘い込まれ絡め取られるような二人だけの世界にゾクリと身震いをし、擦り上げていく掌が理性を奪っていく。 嵌ってしまえばいい。理性なんて手放してしまえばいい。清藤と合わさる唇に溶かされていくようだ。 清藤の手で扱かれ、合わさった清藤の昂まりの熱に当てられ、緩く腰を揺すれば清藤から甘い吐息が漏れた。

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