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第18話
お互いに絶頂を迎え、清藤の手の中に吐き出した互いの白濁をタオルで拭った。
隣に倒れこんだ俺を見つめ所構わずキスを降らせる清藤の身体を引き寄せ抱きしめた。
「…気持ちいいもんだな。一人でするより断然いいな。またしような」
賢者タイムではないが正気に戻っていく頭の中でどうしたらいいのかと困惑していた時だった。やはり清藤は大人で気不味くならないようにしてくれているのだと嬉しくなる。
「もう、俺のもんですからね。浮気はしないでくださいよ」
そう言えば耳元で清藤は囁く。
「しねーよ。こんな可愛い彼氏がいるのに。お前こそすんなよ」
するわけがない。自分から告白したんだ。こうやって腕の中に清藤がいるのに他に興味なんて湧くわけがない。それでもそう云って確かめ合うのは胸を締め付けるような甘酸っぱいものを味わうのは気分はいい。
「それとさ、別れる時はお互い良い思い出になったねって別れようぜ。恨み辛みは言わないってことにしような」
「付き合い初めてたばっかりなのに別れ話ですか?そんな簡単には別れませんから」
「違う違う、仲のいい時に決めておきたいんだよ。お前の冷めた顔は見たくないって話だ」
どう考えたって自分から別れを切り出すなんてことは想像が出来ないのだが、清藤がそういうのならもしその時がきてお互いがそう言える別れ方をしたいと思う。
「男同士で先なんてないって思っても、俺はこの気持ちだけを大事にしていきます。友海さんと一緒にいたいんで、大事にしますよ。飽きられないように」
未来とか、そんなことは何も考えてはいない。ただ清藤に惹かれてこの先も一緒にいたいそれだけだ。
ここに清藤の気持ちがあればいい。
「やっぱ、お前は可愛いな。俺も飽きられないようにしないとな」
「あんたはそのままでいんですって。ただ酒の席での飲む量だけは気を付けて下さい。心配しますから」
見つめ合ったまま、清藤はなにかを考えているようだった。それでもその表情はどこか嬉しそうで心が和らいでいく。
「心配されるのっていいな…愛されてるな、俺」
ただ昼の僅かな時間にその姿を眺めるだけだった。仕事ができて、容姿だって申し分ない清藤は憧れだった。それが恋に変わった瞬間は、いつだったんだろう。男を好きになった自分に後悔なんてものはない。誰かが清藤のそばにいることが我慢できない。偶然がきっかけを作り腕の中に清藤がいる奇跡。
そんな偶然と必然がここに清藤を連れてきてくれた。そんなロマンティックな出会いがどこにあるのか。これは運命ではないかと真田は真剣に思っている。
口が裂けても言わないが。それこそ弄られるのがオチだ。それでも気持ちが寄り添っていることには違いない。
「愛してるんですかね…好きで堪りませんけど」
「それを愛してるって言わないのか?」
「まだ戸惑ってる感じが強いので…束縛したいってのが大きいかな。でも嬉しいですよ。ここに友海さんがいてくれることが」
「縛ってもいいぞ?」
「縛るってあんた…ちゃんと繋ぎ止めたいって意味ですよ。そんな趣味はありませんから」
「お前になら何されたって構わないけど」
「もう少し嫌がって下さい。なんでも受け止め過ぎないでください」
クスクスと笑いながら肩先に頭を乗せ至近距離で見つめてくる琥珀色の瞳に自分だけが映っていることが堪らなく幸せだ。
「俺は何でもしてやりたいよ、お前には。俺にできることなら何でも」
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