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第30話
「昨日思ったんだけどさ、お前の大きいよな…入るかなぁ…」
そう呟きながら清藤の手はまだ股間を揉んでいる。あの長い指が自分の逸物を触っているというだけで視覚と感覚で硬さは急増していく。それに清藤はすんなりではないとしても受け入れようとしてくれている。
人並みだと思うが入れたことのない場所に入れる戸惑いより、この人は好奇心の方が優っている気がしてならない。本来は受け入れる場所ではないというのに、どこまでも斜め上をいく思考に真田には戸惑いと不安が付き纏う。
それに初めての経験を今からしようかというのに、清藤は何故か慣れている気がしてならなかった。
同性の股間を揉むとか、今まで戯れて触ったことはあっても意識して触ったことはない。年頃になって誰が大きいだのという子供の好奇心はあったが、触ってみたいとは思ったことはない。同性のものを触って勃たせる行為自体、真田は初めての経験だ。
なのにその誘うような仕草はどう判断したらいいんだろう。戸惑う気持ちの中、清藤の手は壮絶に気持ちが良かった。
清藤に触られていると思うだけですっかり勃ち上がった愚息は下着の中で天を仰いでいる。
「なんか、いいよな…自分で興奮してくれてると思うとゾクゾクするよな」
嬉しそうにファスナーを下ろし、下着から迷いなく取り出して勃ち上がったものを緩く抜き始めた。
直に触られる感触に肌が粟立ち下腹部に熱が集まってくる。自分だけが気持ちいいというのは癪な気がして清藤のモノも素早く取り出した。
昨日の感覚が蘇ってくる。先端を合わせ蜜の溢れたモノを合わせて清藤は抜き始める。酒の勢いが清藤の感じている姿をぼんやりとしたまま見落とさせていたことに気付く。
白い首筋の喉仏が上下し、甘い吐息を漏らす眉間に皺を寄せ薄く開いた唇は扇情的で真田を煽った。
女なら手は自然と胸に触れようとするが、男の場合でも気持ち良いものなんだろうかと戸惑う。それでも清藤の白い肌に鎮座する飾りを舐めてみたい。清藤がどう反応するのか見てみたいと劣情を煽る。
シャツの間に滑り込ませた指先は微かに震えているがゆっくりとシャツを捲りあげ、小さく主張する胸の飾りに舌を這わせた。
「うっあっ、何っ、これ…」
奇妙な声を上げ清藤は身を捩る。気持ち良くはないのかと残念な気持ちで飾りから唇を離しその顔を見れば首元まで赤く染め潤んだ瞳で見上げてくる。
「こんなことって男でも感じるのか?ぞわぞわして擽ったくて気持ちいい」
そんなこと聞かれても真田もしらない未知の世界なのだが。それでも気持ちいいのならもっと気持ち良くしたいと思うのが雄の性だと真田は微笑んで見せた。
「そのまま気持ち良くなっててください。あんたが気持ち良さそうだと興奮するんで」
「そうなの?嬉しいなぁ」
煽られている証拠をあんた掴んで抜いてるでしょ…と、お互いの溢れ出す蜜で隠微な音を立てている塊に視線を向け、再び清藤と視線を絡ませ頷いた。
「気持ちいいな…元希…キスして…濃いの、して」
煽り上手とはこの人のことを言うんだろうと、それでもその唇を求めていたのは清藤だけではないと胸の飾りを弄びながらお望みの深く甘いキスを清藤に注ぎ込んだ。
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