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第36話

「お待たせしました」 画面を覗く清藤のそばに駆け寄った。なんだか難しい顔で画面を見つめている清藤を見つめる。視線を感じたのか顔を上げた清藤は画面を差し出した。 そこには異国の筋骨隆々な男性達が後ろから男をガンガンに攻めている画像が目に入り慌てて画面を抑え周りを見渡した。 「な、何やってんですか?!こんなところで!」 「何もしてねーよ、見てるだけじゃん。それよりこいつさ、気持ち良さそうじゃねぇ?それにこんな太いのが入ってっ…」 その先を聞きたいようでここで清藤に言わせてくなくて口元を押さえる。 「わかりましたから!帰ってから一緒に見ますから!」 慌てる真田に喉元でクスクスと笑った清藤は煙草を灰皿に放り込んだ。その長い指がスマホをポケットに仕舞い真田を見つめた。 「一緒に勉強しようぜ。俺も元希と気持ちよくなりたいからさ」 歩き出した清藤の隣に追い付き肩を並べる。 「平日は残業もあるから、なかなか一緒に居られないけどさ、出来るだけこうやって時間を作って一緒に居ような。すれ違うのは嫌だから」 すれ違った事があるのかと詮索したくなったが、一緒に居たいと言葉にしてくれる清藤の気持ちが嬉しく真田は胸がいっぱいなる。こうやって自分を見てくれ言葉にしてくれる清藤の気持ちが堪らなく嬉しかった。 ◇◇◇ 「まあ上がって」 「お邪魔します」 シンプルな玄関を入ると真新しく感じる新築の匂いがした。 「新築ですか?」 そのままを口にすると振り返った清藤は甘く笑う。 「先月引越したんだ。前のアパートが取り壊しでさ」 取り壊されるようなおんぼろアパートに住んでいたのかと耳を疑ったが清藤の後に着いて行き、短い廊下を過ぎ扉を開けば真田の部屋とさほど変わらない部屋が広がる。真っ黒なソファに大きな画面のテレビだけが置いてありなんとも殺風景な部屋だ。 「今、なーんもない部屋だと思っただろ」 笑いながらソファの横に鞄を置き、真田に手招きをする。突っ立って見渡す事もない部屋に清藤が座る隣へと腰を下ろした。 「寝るだけしか返ってこないから…洗濯物も乾燥機だから干す事もないし家事もしない。引いたか?」 清藤はは人一倍忙しい人だ。仕事から帰って泥のように眠り、誰よりも早く出社する。ここで過ごす時間なんてほとんどないのはわかる。合理的なところはなんとも清藤らしい部屋だと思う。 「引いたりしませんよ。友海さんが忙しいのはわかってるし…それに掃除がしやすそうだし」

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