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第76話

 二本の指を動かせるくらいに解された蕾は自分の指を中へ中へと誘い始め取り込もうとしている。 ただ気持ちいいかと聞かれれば違和感しかない。何度も出し入れを繰り返し緩んできた蕾は三本の指を飲み込んでいった。  解すことに必死で自分がどれくらいここにいるのかさえ真田は忘れている。清藤がまだ出てこないのかと不思議に思うなんてことは真田の頭からすっぽり抜けていた。  ドアの外に人影を感じるくらいには理性は真田にはあった。解すことに必死でどれくらいの時間をかけてシャワーを浴びていたんだろうと、その影を見ながら焦り始める。 「元希?大丈夫か?」  三本の指を出し入れしている姿のままその影を凝視する。慌てて差し込んだ指がぷくりと膨らんだ内壁に触れ驚きで指を引き抜いた。  ビクンっと意思に反し身体が硬直し痺れが全身に走った。奇声を上げそうになり口元を塞ぎ荒い呼吸を繰り返す。 ……今、前立腺を掠った?…… 男でも気持ちよくなれるというその膨らみを見つけ、それよりもその痺れがダイレクトに中芯に伝わり反り返るように天を仰いでいる岐立を視界に入れる。 「開けるぞ」  その言葉より先に浴室のドアが開いた。 両手を壁に付き身体を支えてはいるが中芯は勃ちあがって蜜を垂らし始めている。 顔だけを清藤に向け下半身から上がってきたその視線を拾った。 「一人で楽しんでたのか?ずるいなぁ、俺も混ぜてよ」  そう言いながら先に風呂を済ませたはずの清藤は勢いよくスエットを脱ぎ捨て浴室に入ってくる。  髪はまだ乾かしてなかったのか……と呑気に清藤を見つめる真田は頭が回っていない。先ほどの快感が抜けきらずぼんやりと清藤を見つめた。  壁に手をついた真田の後ろに回り、その中芯に手を回しゆるりと扱き出す。まだぼんやりとしている真田は清藤の艶かしい手付きに声を漏らした。 「シャワー浴びるのも待てなかったの?悪い子だね。そんな悪い子にはお仕置きしなきゃね」  若干キャラの変わった清藤は可笑しそうに笑みを溢し、もう片方の手を真田の尻に這した。 慌てた真田は腰を引き、クルリと体勢を変え清藤と向き合う。目の前にある切れ長の綺麗な瞳と視線を交わしその身体を抱きしめた。 「ごめんんなさい……」  何故か溢れたのは謝罪の言葉だった。    

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