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第77話
「なんで謝んの?」
体を引き剥がし真田の顔を覗き込んだ清藤はお仕置きすると言ったものの優しく真田を伺っている。
「友海さんに……同じ男なのに受け入れてもらって申し訳なくて……本当は気持ち良くなんてないんじゃないですか?」
時間をかけて解しても快感のかの字も得られなかった。その行為自体、男の身体は後ろで感じるなんてことはバーチャルなのではないかとさえ思えてくる。それを清藤に強いていたのかと思うと胸がはりさけそうになる。
受け入れる場所ではない。それでも愛し合うとなれば同じ身体なのだから物理的に繋がる場所は一つしかない。
「一人でシて気持ちよくなかったのか?」
「違和感しかなかった……」
「そっか。最初はそうかもな……」
「それって……徐々に気持ち良くなるってこと?」
甘えた真田の言葉が幼く感じた清藤はクスリと笑い情けなく清藤を伺う真田の頬を優しく撫でた。幼いは語弊だ。真田は自分より歳下で未経験なのだから当たり前だ。
それでも自分を受け入れようと未知の場所を解していたのだと思うと愛おしさが込み上げる。
「そうだな。初めは違和感でしかないけど、男だからこそ感じる部分はあるしな。それに……俺はお前が初めてじゃないし……」
清藤の爆弾発言に真田はパニックを起こし愕然と清藤を見つめた。
「あ、その、男は初めてだけど……初めてではないっていうか……」
「誰とシたんです?男じゃなきゃ誰とするんですか?!」
「あ……その、彼女が……」
「お、女……?」
「……お前に話した彼女が……その……同性しか愛せないって話たろ?彼女は抱く側の人だった……恥ずかしい話だが……抱きたいって言うから、俺は抱かれてて……」
その意味が分からずポカンと間抜けな顔を晒す真田に真っ赤な顔で清藤は視線を泳がせた。
「どうやって……女が男を抱くんですか……?」
「そりゃお前っ……そんなこと具体的に話すのか?」
質問を質問で返す清藤に再び絡まった視線は沈黙を作った。疑問と戸惑いが交差する。
「男はお前が初めてだって言ったろ?それじゃ満足できない?具体的に話す?」
意識は覚醒し、ブルブルと頭を振った真田は目の前の清藤の裸体を抱きしめた。
「聞きたくないです。男は俺が初めてならそれでいいです」
「それに俺はお前のモノで感じて気持ちよくしてもらってる。繋がって胸がいっぱいで……お前は俺のモノなんだって幸せだから。お前が挿れて欲しいなら俺も頑張るけど……どちらかと言ったら挿れてもらう方がいい。お前が俺で気持ち良くなってる顔を見るのが堪らなく好きだからな」
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