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第108話
俺の上司はこんなにも可愛い。
そんな事を清藤に言えば馬鹿にしてるのかと憤慨するだろう。
だが、真田にとって清藤は憧れの上司であり愛おしい恋人だ。ガラス越しに眺めていた聡明で端正な顔立ちの清藤が自分の腕の中で、求めてくれる嬉しさが堪らなかった。
涙を溢し早く早くと求めてくる可愛い上司。それは会社でのキレのいい上司ではない。
ただ一途に愛し合う恋人だ。
それが悶えるほどに愛おしく、男として嬉しい限りだった。
こんなに愛おしいと思える人と付き合ったことはない。大学時代に付き合った彼女は、恋愛に対して憧れから始まった付き合いだった。確かに可愛いと思っていたし、一緒にいて楽しかった。
だが浮気を知った時の感情は、自分を裏切った憎悪しかなかった。自分が裏切られたというプライドが彼女を許せなかった。
清藤が浮気をしたら?……そんなことは到底許さないが、泣いて縋り別れたくないと懇願するだろう。
それほどまでに清藤と別れるなんてことは想像したくない。
今の時間が永遠に続けばいいと願ってやまないが、時間は有限だ。なら清藤の願いならなんだって叶えたい。
清藤が喜ぶのではればなんだってする。
「泣かないで。どうしたんだろうね。今日の友さんは」
そんな事を言いながら唇で涙を拭う。
そっと瞼から光が揺れ、自分を写す可愛い恋人に熱い口付けをした。
「早く、これ、くれよ」
清藤の可愛い痴態いあてられた真田の立ち上がった雄の塊を清藤の細く長い指は絡めとり緩く上下に扱いた。
堪らないな。そう心中でつぶやいた真田のスイッチが入る。
いつだって清藤が欲しいと思っている。そうそう盛るわけにもいかないが、セーブができない程清藤を抱きたい時がある。
自分に向ける眼差しが甘い時、休日の洗濯物を取り込んでいる時の横顔、思い出してもきりがないくらい堪らない時がある。
当の本人はそんな雰囲気でもないらしく仕事同様卒なくこなしているのだが。
もう、そんな遠慮はいらないのかもしれない。
上司とか、そんな垣根は取っ払って本当の恋人としてなんの鎧を付けない清藤を抱きしめていこうと思った。
真田が触れるたび、清藤の身体は快感を呼び起こし可愛く跳ねる。それが嬉しくて真田は思う存分清藤を味わっていった。
繋がる瞬間、身構えていた清藤の蕾は柔らかく受け入れてくれるようになった。
馴染んでいく清藤の身体が愛おしく、そこには愛が満タンに詰まっている。
大きく深呼吸を繰り返し、背中にぶら下がっていた手は、いつの間にか首元にぶら下がっていた。
「友さん、大丈夫?動いていい?」
視線が絡み合い少し首を傾げた清藤は甘く微笑んだ。
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