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*第109話
涙を零しながら微笑む表情はなんとも扇情的でドクリと真田の胸が鳴った。ドクドクと熱いものが流れ出し下半身へと集まっていく。
こんなにも興奮する相手。それは清藤であって清藤しかいない。
「友さん、愛してます。これからもずっとそばにいて?」
懇願する言葉を囁きながら清藤の下腹部へと手を這わす。繋がる部分を優しく撫で、枕元にそのまま置いてあるチューブに手を伸ばした。ゆるゆると撫でている自分の中指に添わすようにチューブを絞り、粘度のある液体がトロリと垂れ落ちてくる。それを器用に薬指で受け止め繋がる部分にねじ込んだ。
清藤の喉がヒュッと微声を漏らす。それを合図のように真田は清藤の中を弄り始めた。
何も発する言葉はない。ただ互いの表情だけを追い求め見つめている。
清藤の潤んだ瞳にはただ一人真田だけを映していた。
高く持ち上げた腿を清藤の長い指が絡まり援護してくれる。繋がる部分は露わになっていても、もうそんな羞恥は清藤にはなかった。
ただ真田が欲しい。それだけの感情が清藤を掻き立てる。その痴態に真田は絶頂を迎えそうなくらいの興奮を理性で食い止めていた。
「友さん……」
自分の名前を呼ぶ愛しい人。清藤にとって胸を高鳴らせる甘い囁き。合図のように頷き、清藤は大きく息を吸った。
真田の熱い塊が狭く閉ざした場所へと侵入していく。吐き出す息は苦しさを紛らわし、甘い痺れへと変えていく。清藤の身体は震えるほど歓喜していた。
「これは俺だけのものだからっ、どこかにいくなんて許さないからっ」
会話になっていない清藤の唇を荒々しく奪う。堪らない。胸が詰まるほどの愛の言葉に真田は自身の雄の塊を清藤の最奥へと埋め込んだ。
「どこにいかないよ。これからずっと友さんと一緒にいる」
自分の問いかけを自分で返す羽目になっていようと、真田は気にしてはいなかった。今ここで伝えないといけない。無限にある訳ではない時間は続く限り清藤に使いたい。ならば想いはいつ伝えるのか。今しかない。そうこの一瞬の今しかない。そうして続く限り言葉にしていきたい。
穏やかになった呼吸に清藤の腕が真田の首にぶら下がる。それはそれは愛おしい可愛い恋人が優しく微笑んで見つめてくれる。
心が満たされる。これ以上の幸せはない。真田は何度も清藤にキスを撒き散らし、甘い楽園へと誘い込まれていった。
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