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第154話

キッチンに立ち、冷蔵庫から飲み物を取り出す清藤の後ろ姿を舐め回すように見つめた。 しなやかに伸びる足はしっとりとした肌触りで、その腰は艶かしく誘うことを知っている。 まるでその場所が自分達の聖域のような錯覚にふらふらと導かれ、背後から抱きしめた。 「友さん……」 綺麗な首元に吸い付きたい衝動を抑え、唇を這わす。 甘い溜息が漏れる。ピクっと揺れる感度のいい身体。その全てが自分のものだと思うと燃えたぎる真田の熱い昂りはズンっと重量を増した。 求めるように滑らかな肌に掌を這わし、 清藤の入れたミネラルウォーターを口に含んだ真田は顎を捉え導くようにその口をへと注ぎ込んだ。 合わさった唇から清藤へと流し込むと触れた喉元が上下に動いたことで唇を離した。 潤んだ瞳が雄弁に語る。その妖艶に誘う瞳に今すぐにでも抱きたい衝動に駆られた。 「……待ってて」 名残惜く離した清藤に後ろ髪を引かれながら急いで浴室へと向かった。 下腹部を見つめ『いよいよだな』と伝えれば昂りつつある分身はピクっと揺れた。 胸の高鳴りを抑え急いで浴室から飛出た真田はタオル一枚を腰に巻き、乱暴に髪を拭く。 乾かすこともなく廊下を渡り寝室のドアの前で深呼吸を繰り返した。 久しぶりの情事に欲望のまま走り出し清藤を傷つけないために平常心、平常心と心で唱える。 すっとドアを開け飛び込んで来たベッドの上の清藤の姿は、横たわり眠っているように見えた。 寝付きのいい清藤はおやすみと声にすれば一分も待たず眠りにつく。 一週間の仕事を終え疲れはピークに達しているはずだ。 本当ならこのまま寝かせてやりたいと思うのだか今日はそんなわけにはいかない。 なのにそっと足音を立てないようにベッドに滑り込み背後から愛おしい身体を抱きしめた。 回した腕に細い指が絡みつく。眠ってはいなかったのだと真田の身体から力が抜けていく。 「……最初な、求められるってどんな感じなんだろうって思ったんだ……」 唐突に話し始めた清藤の髪に真田そっと唇を落とし、促すように清藤の唇をなぞった。

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