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第155話
向きを変えた清藤は真っ直ぐに見つめてくる。
隙間を埋めようと細い腰を引き寄せればその腕が真田の腰に回った。
「求めてもらうことばかりしか考えてなかったんだ、ずっと。でも求められることでどんな感情を持つことができるのかって初めてお前に抱かれた時にわかったんだ」
「……どんな風にわかったの?」
「求められてそれに応えたくて……もっともっとって欲張りになるんだな。お試しみたいな感じで付き合い始めたけど……俺は元希に好きになってもらえて良かった。飽きられないようにしなきゃってプレッシャーはあるけど……」
「飽きたりしないよ。毎日友さんのことばっかり考えてるんだから。それとね、欲張りになるのはいいと思うんだ。だってそれだけ俺の事好きだってことでしょ?」
「そうだな。不安になることは増えるけど、好きなんだ。すごく……」
その先の言葉を取り込むように唇を奪った。
求められること。それを望んでいた清藤の願望を叶えることが出来たことに真田は胸を震わせた。
過去の女性に縛られ続けた清藤の心を奪えた喜びに。
絡めとるように合わせた舌を愛撫し、息の上がりかけたその身体に手を這わす。
清藤の手は真田の頬を捉え離さないと言わんばかりに、深いキスに夢中になっていく。
繋がった唇を離さないように真田は清藤を跨いだ。頬にあった掌は、真田の首元を回り絡めていく。
首筋に舌を這わせ、理性の残る唇はワイシャツで隠れる場所に朱の印を付けた。
充足感は真田の背筋を這う。誰にも許されない自分だけの所有の印に痺れを伴い熱を帯びていく。
胸の蕾を軽く吸えば、しなやかに清藤の身体は揺れた。
眠った蕾を呼び起こすように吸い上げる。
重なり合う中芯が頭を持ち上げ合わさるように腹の間で昂り始めた。
待ちきれないとばかりに、枕の下に忍ばせた液体を取り出し、ベッドに膝を立てた真田は清藤を見下ろした。
ベッドサイドの淡いオレンジ色が清藤を妖しく照らす。
紅い舌を唇に這わしたその視線は熱く燃えたぎる昂りを見つめている。
秘孔にひんやりとしたヌメリを感じ、期待する甘い声が漏れ、部屋に響き渡った。
真田の足を引き寄せる清藤の思うようにさせ、寝そべった真田の足の付け根を目指し、身体を屈める清藤に、はち切れんばかりの塊がヒクヒクと痙攣した。
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