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第64話*
「あ、んやっ、あ……、ダメ、すぐ、達っちゃうっ」
「もっとだ、もっと、握りこめ。力抜くなよ」
「ああ、ああっ、あ、こんな、すごっ、い、いいっ、そ、宗輔さっ……」
動くなと言われて、結太は下半身の筋肉を緊張させた。半脱ぎになったパンツが足にからみついてもどかしい。動きが制限された中で、すりあわされる性器だけが、激しい快感を享受する。全身が性感帯になってしまったかのように、感じすぎて頭の中が煮えた。
「あ、ああ、ああっ……すご、すごい、ここ、し……痺れ、る、みた、いっ……」
結太の屹立も、宗輔の剛直も限界付近まで硬くなっている。体液も絶え間なくもれて、そのせいで手のひらの滑りがよくなり、さらに感度が増した。
宗輔が己を激しく抜き差しする。結太の薄い皮膚が宗輔のそれに押されて持っていかれる。敏感な個所をすりあげられて、結太は悲鳴に近い喘ぎ声をもらした。
「ああ、あ、も、もう、……いっちゃう、いく、あ……あ、イくぅ……っ」
「結太、一緒にだ」
宗輔が顔をよせて、結太のひらいた唇に口づける。息を絡ませながら、結太の手のひらの中で自身の凶器を荒々しく抽挿した。
「や……あ、も、も、ダメ、いく、いくから……っ」
ぶるぶると下肢を震わせて、涙を流しながら頂を越える。未曽有の快感に、息さえできなくなる。
「あ、ああっ、宗輔さ、い、イ……っ」
短く激しく呼吸をすると、結太のペニスの痙攣につられて、宗輔も際を越えた。互いの先端から精液があふれて飛んで、結太の手をどろりと濡らす。
「ん、んンっ……、っ、く、っ……」
宗輔がぐいぐいっと男性器を押しこむようにしてきた。
「あ……は、す、すご……」
乳白の雫が、結太の下腹に飛んで、いくつもの線や玉となって卑猥な文様を描く。それは互いの身体に長年ためこんでいた恋情を表すように大きく広がり、結太の肌を濃厚な熱で焦がした。
「結太……めちゃめちゃ可愛いかった」
宗輔が結太の唇や頬に舐めるようなキスを落とす。息があがってしまった結太は答えることもできずに、はふはふと呼吸だけを繰り返した。
「これで、お前は俺だけのもんだ」
言うと、ぎゅっと抱きしめてくる。
「はい……」
やっと一言そう告げると、相手は嬉しそうな顔でまたキスをしてきた。
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