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悲憤-hihun-5
「んんっ…眩しい……」
窓から朝日が差して俺と樹矢を照らす。
なんか、そんなに寝てない気がする………
身体は重たく、起き上がるのが億劫だった。
隣に目を向けるとキラキラと照らされいる恋人が寝ていた。顔には涙の跡がある。
ギュッと胸が締め付けられ、昨晩の事を後悔する。
「んんぅ…」
樹矢は寝返りをして俺に抱きついた。
「しゆちゃん…俺の…」
寝言を呟く樹矢の頭をそっと撫でた。
_______________
「しゆちゃん!起きて!仕事じゃないの?」
「えっ!!」
ガバッと起きて時間を見る。時計は朝の10時になろうとしていた。
「まだ間に合う…良かった……」
「もー。ちゃんと目覚まししとかないとだよ?」
「うん…そうだな。って樹矢?」
昨日の怒りなんて何でも無かったかのようにスッキリした顔の樹矢を見て不思議に思った。
「ん?どうしたの?しゆちゃん。」
「俺…昨日さ…」
「しゆちゃん、昨日はゴメンね?俺のせいで痛い思いさせて、本当にごめんなさい。怖かったよね。ゴメンね。」
真っ直ぐな瞳で俺を見て謝る樹矢。手が俺の頬を撫でる。
「樹矢…悪いのは俺の方で、あんたは何も謝る事してないよ…‼」
「ううん。俺が悪いよ。実はさっきマネージャーから電話があったの。」
「俺、携帯を車に忘れちゃって、仕事用の携帯に連絡が来ててさ。」
「しゆちゃん今度俺の写真集のカメラマンになるんだって?」
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